エピジェネティック療法研究会
By 事務局 Follow | Public

 近年のゲノム科学の進歩によって、さまざまな疾患の治療、特にがんの治療は新しい局面に入りました。
従来の、がんの組織型、部位、進行度によって適応や治療法が決まるという画一的なアプローチから、個々のがんで生じている遺伝子異常や変異、遺伝子発現の変化などの遺伝子情報を参照して診断や治療が行われる個別化治療の時代へと着実に近づいています。
 個別化治療の主体となる分子標的治療薬には、遺伝子異常や変異に関連する分子そのものを標的とした“ジェネティック”な分子標的治療薬と、DNAメチル化やヒストン修飾による遺伝子発現の制御に働きかける“エピジェネティック”な分子標的治療薬があります。現在、日本で約20種、世界では50種ほどの分子標的治療薬が認可されていますが、エピジェネティックな分子標的薬は多くが開発段階であり、現状は日本で認可されているものはまだほとんどありません。一方で、バルプロ酸やフェニルブチレートなど、他の目的で開発された薬剤が、エピジェネティックな作用を持つことがわかり、がん治療薬としての可能性が注目されています。
 欧米ではすでに、個々のがんの遺伝子情報に基づいてジェネティック・エピジェネティック分子標的薬を組み合わせて用いることで、標準治療に抵抗性の症例にも効果を挙げています。
 わが国でも、エピジェネティックなアプローチを用いた治療法を安全かつ効果的に行っていくことを目的として、エピジェネティック療法研究会を設立することを発案するに至りました。
 皆様のご支援をお願い申し上げます。