SAL志賀島プロジェクト・冬至にうたう「阿知女作法」〜ISOLA2018〜 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2020-09-11T10:46:02+09:00 Peatix クラシックアコーディオンラボ SAL志賀島プロジェクト・冬至にうたう「阿知女作法」〜ISOLA2018〜 tag:peatix.com,2018:event-573955 2018-12-22T17:00:00JST 2018-12-22T17:00:00JST 海と神話をつなぐ〜志賀島プロジェクト2018 冬至にうたう「阿知女作法」〜ISOLA2018〜 ◾演目 神楽歌「阿知女作法」 神楽歌「千歳法」「植物文様琴歌集〜藻塩、月読」「植物文様ハープ曲集」「笙・笛・琴・声」奏上 ほか◾出演石川高(歌/笙)中村理恵(竪琴)山中すなお(声)渡辺融(土笛)磯部久子、比屋根綾子(シンギング・ボール)◾総合ディレクターのことば冬至にうたう「阿知女作法」〜ISOLA2018〜 宮中の『御神楽』のなかで唱えられる《阿知女作法》。「アチメ、オウ オウ」と呪文のように繰り返されるこの神楽歌は、海のなかにいる阿度部磯良(あどめのいそら)という神を呼び出すために唱えられたと言われています。その磯良を呼び出す舞台となったのが志賀島の突端の勝馬。そして、磯良を呼び出すために、この地で七日七晩にわたって歌や踊りが続き、それが神楽の発祥だったとの説もあります。 今年8月から始まった「海と神話をつなぐ〜志賀島プロジェクト2018」。その最後を「冬至にうたう阿知女作法〜ISOLA2018〜」と題するシアター作品で締めくくります。公演日となる12月22日は、冬至にあたり、古代では、この日を1年の始まりとして、あるいは、生と死との境目として、特別な意味づけを与えていました。 志賀島・勝馬の沖津宮を起点として、冬至に昇ってくる日の出の方向にラインを延ばしてみると、ほぼ、その線上に箱崎宮や宇美八幡宮、竈門(かまど)神社など、いくつかの神社が並びます。まさに、冬至の日の出のなかに神々がつながるのです。 9月8日に志賀海神社にて「長月にうたう阿知女作法」という奉納演奏が執り行われました。その奉納演奏に引き続いて、本公演では、12月22日の冬至の日に多次元ホールにて、ふたたび「阿知女作法」を唱えることになりました。唱えるにあたり、多次元を志賀島に見立てる手立てが施されています。まず、葉脈のように絡み合う志賀島の等高線の地図がフロアに映し出され、そのうえに沖津宮近くの潮が干満する磯辺の映像が重ねられます。つまり、この舞台での演目は、潮の干満のプロセスのなかで展開するのです。 神功皇后の伝説では、龍宮にて干珠満珠の二つの珠を磯良は受け取り、皇后に渡したとあります。この霊力のある二つの珠は、干満という海の秩序の象徴とも考えられ、また、潮についての古代の海人(あま)の知恵とみなすことができるでしょう。 冬至のラインが塩によってくっきりと描かれ、地図上の砂嘴(海の中道)を「橋懸かり」に見立てた多次元ホールの舞台は、志賀島そのものに変換します。まさに、志賀島という仮想の舞台のうえで、潮の干満が響き合い、「阿知女作法」や「千歳法」という志賀島にゆかりの神楽歌が唱えられ、さらに「月読」や「藻塩」などの「植物文様琴歌集」が織り込まれていきます。 イタリア語で「島」を意味する「ISOLA」は、また、身体を海水に浮べたような感覚をもたらす「isolation tank」を想起させます。おそらく、海中のISOLAは、変性意識のなかにあったのかもしれません。そして、海から呼び出されたときに、海藻などが付着した顔を隠すために白布でおおったといわれています。その顔の表情は、まさに、潮が引いたときの磯そのものであり、ISOLAが海の精霊の化身であることを物語っています。藤枝守◾日時:12月22日(土)  17:00開演(16:30開場)◾会場:九州大学大橋キャンパス多次元デザイン実験棟ホール◾定員:100名◾入場料:無料(完全予約制・要事前予約)◾予約方法:以下のいずれかの方法でご予約ください。1)peatix:https://isola-2018.peatix.com2)e-mail:info@accordion-lab.com3)電話:090-8624-1670(山口)◾演目紹介「阿知女作法(あぢめさほう)」宮廷に千年を越えて伝承されてきた神楽歌の一曲。海の神「阿度部磯良」に呼びかける歌であり、安曇氏の系統の神遊びであると、折口信夫は解釈しています。この志賀島に発祥する藝能が、海人と深い繋がりをもつ八幡信仰の趨勢と共に都へともたらされ、宮廷の神楽歌の儀式のなかに取り入れられたことになります。「千歳(せんざい)」神楽歌の古い写本には、「千歳法(せんざい の ほう しかさへづる声」とあり、この曲は、志賀島の海人が唱える「囀(さえづり)」であると、折口信夫は解釈しています。◾出演者略歴石川高(歌/笙)1990年より笙の演奏活動をはじめ、国内、世界中の音楽祭に出演。雅楽団体「伶楽舎(れいがくしゃ)」に所属。笙の独奏者としても、様々な音楽家、作曲家と共に活動してきた。藤枝守作品も数多く演奏している。毎年、九州大学にて集中講義を行い、朝日カルチャーセンター新宿にて「古代歌謡」講座を担当している。今年9月には、志賀海神社にて奉納演奏を、また「海と神話をつなぐ:志賀島プロジェクト2018」にて、レクチャーとワークショップを行った。http://radiant-osc.com/◾️総合ディレクター略歴藤枝守(芸術監督、作曲)植物の電位変化データに基づく《植物文様》という作曲シリーズを展開。著書として『響きの考古学』など。CDとしては《ゴシック・ハープの植物文様》や《Patterns of Plants》など多数。最近では「甕の音なひ」(2015)、「織・曼荼羅」(2017)などの舞台作品を手がける。今年(2018)、台湾大学アーティスト・レジデンス・プロジェクトにより《台湾茶の植物文様》を発表。また、来年、西山まりえによるCD《ルネサンスの植物文様》がリリース予定。◾スタッフ芸術監督+作曲+音響展示:藤枝守演出協力:石川高美術:知足美加子音響:須藤力(モルグ社)音響システム:九州大学尾本研究室映像制作:渡辺圭介(あのラボ)映像システム:九州大学石井研究室舞台イメージ:藤匠汰郎広報:池田美奈子舞台構成+舞台監督+運営協力:株式会社アルカディア制作:九州大学ソーシャルアートラボ主催:九州大学ソーシャルアートラボ協力:福岡市博物館後援:福岡県、福岡市、福岡市文化芸術振興財団、西日本新聞社、RKB毎日放送、LOVE FM助成:日本財団「海と日本PROJECT」◾企画内容に関するお問い合わせ九州大学ソーシャルアートラボ志賀島グループe-mail: sal-sea@design.kyushu-u.ac.jptell: 050-3573-4283ウェブサイト:http://www.sal.design.kyushu-u.ac.jp/ ◾会場情報九州大学大橋キャンパス多次元デザイン実験棟ホール福岡市南区塩原4-9-1西鉄天神大牟田線「大橋」駅より徒歩5分★音響展示「干珠満珠」(制作:藤枝守)2018年12月23日(日)11:00-14:30場所:九州大学大橋キャンパス多次元デザイン実験棟ホール神楽歌《阿知女作法》のなかにも歌われる磯良は、志賀島・沖津宮周辺の海から現れたといわれています。その沖津宮周辺の磯辺での大潮における干満の変化を収録した映像(渡辺圭介制作)とともに、その潮の変化を音響化したインスタレーション。入場無料・申込不要このイベントは、海と日本PROJECTの一環で実施しています。