ビジネス・自由・倫理ーーー岩井克人を斎藤慶典と読む 第3回(最終回) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2018-10-24T13:58:22+09:00 Peatix Toshiyuki Kawashima ビジネス・自由・倫理ーーー岩井克人を斎藤慶典と読む 第3回(最終回) tag:peatix.com,2018:event-422692 2018-10-21T15:00:00JST 2018-10-21T15:00:00JST ※第3回からでもお気軽にご参加ください。お申込みいただいた方には、第1回、第2回の内容詳細をシェアいたします。 <概要>ある研究会で、経済学の教授が、「(ノーベル平和賞を受賞した)グラミン銀行が社会に貢献している?隣組にも借金の肩代わりをさせる高利貸しじゃないか!」と発言し、激しい議論になりました。 この教授は、企業とは徹底的に自社の利益を追求するものだと考えていましたので、企業が社会のために活動すると語るのは偽善だと言いたかったのです。 別の人は、企業は社会があってこそ存在できるだから、社会(様々なステイクホルダー)に貢献しなければ、その存在基盤を失ってしまうのではないかと反論しました。 これに対して、その経済学の教授は、「社会に貢献とか言うけれども、自社の存在基盤を確保するためじゃないか。だったら、自社のためとはっきり言えばいい。」と指摘しました。 会社は、自社の利益のみを追求すればよいのでしょうか。社会への貢献を考えるべきでしょうか。さらには、自社の利益より他者の幸福を優先すべきでしょうか。 経営者はどうでしょう。経営者が株式で多額の報酬を得ることが多くあります。その場合、自社利益の追求によって株価が上がれば経営者の報酬が増えます。だから、会社も経営者も、とにかく自社利益を追求すればよいことになります。 経済学者の岩井克人先生は、経営者が「他者の幸福の促進を自己の目的とする倫理的義務(信任義務)」を負っていると主張し、それは、文楽の人形遣いが達する無我の境地に見て取ることができると言います。無我とは自分がないということですから、そこには自分の利益を追求する余地はありません。だから、純粋に他者の幸福を追求することが可能になります。 ビジネスにおいて、他者の幸福を考える余地や必要性などあるのでしょうか。他者の幸福と言っても、結局は、自分の儲けのためにやっていることではないでしょうか。 このイベントでは、この自由と倫理に関わる問題を、生命科学・哲学・ビジネスを切り口にして徹底的に考え、ビジネスにおける「他者のために」という倫理の可能性を追求します。 ご参加をお待ちしています! <参加費> 8000円 <定員> 20名 <講師> 斎藤慶典(慶應義塾大学文学部哲学科教授) 1957年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。哲学博士。 専攻は現象学、西洋近・現代哲学。 著書に『フッサール 起源への哲学』、『レヴィナス 無起源からの思考』、『知ること、黙すること、遣り過ごすこと』、『「東洋」哲学の根本問題−−−あるいは井筒俊彦』(以上講談社)、『デカルト−−−「われ思う」のは誰か』『デリダ−−−なぜ「脱−構築」は正義なのか』(以上NHK出版)、『生命と自由−−−現象学、生命科学、そして形而上学』(東京大学出版会)、『私は自由なのかもしれない−−−〈責任という自由〉の形而上学』(慶應義塾大学出版会)など多数。 角谷直樹(株式会社角屋食品代表取締役/名古屋商科大学大学院客員教授) 神戸大学大学院自然科学研究科博士課程後期課程早期修了。名古屋商科大学マネジメント研究科早期修了。農学博士、経営学修士、工学準学士。神戸大学博士研究員、味の素株式会社を経て現職。ファミリービジネス(同族企業経営)の研究をきっかけに倫理学、哲学を学び始め、現在は自然科学や経済学が切り捨ててきた部分に着目した研究を行っている。 大山匠(哲学者/人工知能研究者) 上智大学大学院哲学研究科博士前期課程卒。意識現象に現れる自己/他者、時間・空間などのテーマを主な研究領域としながら、人工知能開発者、データサイエンティストとしても活躍している。他、朝日カルチャーセンター講師、「人工知能のための哲学塾」スーパーバイザー、など。 <オーガナイザー> 川島俊之(高野山真言宗高福院副住職) 慶應義塾大学経済学部卒業、高野山大学大学院文学研究科修士課程密教学専攻修了。監査法人トーマツ(会計監査・上場支援)、株式会社三和総合研究所(経営コンサルティング)、グローバル・ブレイン株式会社(ベンチャーキャピタル)のパートナーを経て現職。また、東京工業大学非常勤講師(新事業創造論)、名古屋商科大学大学院客員教授(ベンチャーの事業創造)等で教育活動に従事した。現在は、高福院副住職をつとめつつ、寺で哲学塾を開催している。 <テクスト> 岩井克人『経済学の宇宙』(日本経済新聞出版社)第七章、第八章 斎藤慶典『生命と自由−−−現象学、生命科学、そして形而上学』(東京大学出版会)第5章、第6章 斎藤慶典『レヴィナス−−−無起源からの思考』(講談社選書メチエ)第三章から第五章 <第3回の検討対象>以下を検討いたしますので、ご一読の上、ご参加ください。 岩井克人『経済学の宇宙』(日本経済新聞出版社)第七章、第八章斎藤慶典『レヴィナス−−−無起源からの思考』(講談社選書メチエ)第五章