ビジネス・自由・倫理ーーー岩井克人を斎藤慶典と読む 第2回(全3回) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2019-11-01T11:02:15+09:00 Peatix Toshiyuki Kawashima ビジネス・自由・倫理ーーー岩井克人を斎藤慶典と読む 第2回(全3回) tag:peatix.com,2018:event-400454 2018-07-29T15:00:00JST 2018-07-29T15:00:00JST ※第2回からでもお気軽にご参加ください。第1回の内容詳細をシェアいたします。<概要> 自由を標榜する主流派経済学は、自己利益の追求が社会全体の利益をもたらすと考えます。それに基づけば、経営者は自己利益のみを追求すべきです。これに対して、経済学者の岩井克人は、経営者が「他者の幸福の促進を自己の目的とする倫理的義務」を負っていると言います。その倫理的義務とは、(岩井によれば)カントが『人倫の形而上学』で述べた義務であり、信任法における忠実義務として法制化されています(日本の会社法第355条「取締役の忠実義務」、また金融庁は平成29年に金融機関に信任義務を課しました)。経営者は自由に自己利益を追求すべきなのでしょうか、あるいは他者の幸福を追求する倫理的義務を負うのでしょうか。 岩井は、文楽が信任関係(倫理的義務)の格好のモデルだと言います。文楽の人形遣いのうち、主遣いは黒子ではなく顔を出して演じます。それは自己を表現したいという欲望や、観客に気を取られる恐れなどから解放された無我の境地に達しているからです。 さて、経済学が自由な自己利益の追求を語るときは、自己の存在を前提としています。一方、岩井の倫理は無我の境地にありますから、自己の存在が無化されています。実は、両者の議論は異なる次元にあるのではないでしょうか。だから、自由と倫理を議論するには、自己が存在する次元、無我の次元がいかなるものか、そして両者がどのような関係にあるかをしっかり検討する必要があります。 それを考えるためのカギが、岩井の重要な研究テーマである「言語・法・貨幣」です。自己が存在すること(あるいは無我の境地)は、言語と密接に関わっています。また、自己利益の追求と倫理を、「言語・法・貨幣」との関係において検討することは、ビジネスにおける実践−−「言語・法・貨幣」との関わり方−−について考えることに繋がります。 なお、岩井は「言語・法・貨幣」がオートポイエーシス(生物学者・神経生理学者であるマトゥラーナとヴァレラが生命体組織を記述するために着想し、社会学者ルーマンによって一般システム理論として普遍化されたアイディア)と密接に関係していると言います。本セミナーでも、生命科学、オートポイエーシスを参照しながら岩井の自由と倫理について検討します。 われわれの世界がどのように成り立っているかを根本的に問い直し、そこからビジネスにおける自由と倫理を考え、それらを実現するためのシステムを検討する場にしたいと思っています。<開催日時>第2回:平成30年7月29日(日)  15時〜18時第3回:平成30年10月21日(日) 15時〜18時<場所>高野山真言宗高福院(品川区上大崎2−13−36)<参加費>1回につき8000円<定員>各回とも20名<講師>斎藤慶典(慶應義塾大学文学部哲学科教授)1957年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。哲学博士。専攻は現象学、西洋近・現代哲学。著書に『フッサール 起源への哲学』、『レヴィナス 無起源からの思考』、『知ること、黙すること、遣り過ごすこと』(以上講談社)、『デカルト−−−「われ思う」のは誰か』『デリダ−−−なぜ「脱−構築」は正義なのか』(以上NHK出版)、『生命と自由−−−現象学、生命科学、そして形而上学』(東京大学出版会)、『死の話をしよう−−−とりわけ、ジュニアとシニアのための哲学入門』(PHP研究所)など多数。角谷直樹(株式会社角屋食品代表取締役/名古屋商科大学大学院客員教授)神戸大学大学院自然科学研究科博士課程後期課程早期修了。名古屋商科大学マネジメント研究科早期修了。農学博士、経営学修士、工学準学士。神戸大学博士研究員、味の素株式会社を経て現職。ファミリービジネス(同族企業経営)の研究をきっかけに倫理学、哲学を学び始め、現在は自然科学や経済学が切り捨ててきた部分に着目した研究を行っている。大山匠(哲学者/人工知能研究者)上智大学大学院哲学研究科博士前期課程卒。意識現象に現れる自己/他者、時間・空間などのテーマを主な研究領域としながら、人工知能開発者、データサイエンティストとしても活躍している。他、朝日カルチャーセンター講師、「人工知能のための哲学塾」スーパーバイザー、など。<オーガナイザー>川島俊之(高野山真言宗高福院副住職)慶應義塾大学経済学部卒業、高野山大学大学院文学研究科修士課程密教学専攻修了。監査法人トーマツ(会計監査・上場支援)、株式会社三和総合研究所(経営コンサルティング)、グローバル・ブレイン株式会社(ベンチャーキャピタル)のパートナーを経て現職。また、東京工業大学非常勤講師(新事業創造論)、名古屋商科大学大学院客員教授(ベンチャーの事業創造)等で教育活動に従事した。現在は、高福院副住職をつとめつつ、寺で哲学塾を開催している。<テクスト>岩井克人『経済学の宇宙』(日本経済新聞出版社)第七章、第八章斎藤慶典『生命と自由−−−現象学、生命科学、そして形而上学』(東京大学出版会)第5章、第6章斎藤慶典『レヴィナス−−−無起源からの思考』(講談社選書メチエ)第三章から第五章<第2回の内容概略>以下を検討いたしますので、ご一読の上、ご参加ください。岩井克人『経済学の宇宙』(日本経済新聞出版社)第七章、第八章斎藤慶典『生命と自由−−−現象学、生命科学、そして形而上学』(東京大学出版会)第6章斎藤慶典『レヴィナス−−−無起源からの思考』(講談社選書メチエ)第三章・第四章 Updates tag:peatix.com,2018-06-28 00:00:48 2018-06-28 00:00:48 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#348989 Updates tag:peatix.com,2018-06-25 23:50:24 2018-06-25 23:50:24 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#348267 Updates tag:peatix.com,2018-06-25 03:55:55 2018-06-25 03:55:55 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#348065