“森林美学”から紐解く、里山の風景 & 初冬の遠野たより / 小池孝良さんを迎えて(ハヤチネンダ設立4周年記念プログラム・無料) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2024-01-08T16:03:03+09:00 Peatix 一般財団法人ハヤチネンダ “森林美学”から紐解く、里山の風景 & 初冬の遠野たより / 小池孝良さんを迎えて(ハヤチネンダ設立4周年記念プログラム・無料) tag:peatix.com,2023:event-3769407 2023-12-09T14:00:00JST 2023-12-09T14:00:00JST 今年の周年記念特別講演は、小池孝良先生(北海道大学 名誉教授 / 林学 / 森林科学)にお越しいただきます。先生は、北海道大学で100年続くという伝統講義「森林美学」を教えてきた方で、森林生態・科学の専門家です。原生林とは違う、人が関わることで続いていく里山の森。人が関わることでつくられる森の美しさとはなにか、それは人の心や行動にどんな影響を与えるものか。北大の学生になったつもりで、一緒にお話をうかがってみませんか?この日は遠野からの配信を予定していますので、この1年のハヤチネンダの活動や、暖炉の火、通信がとどけば馬たちの今、そして、みなさまと手入れを続けてきた森の変化の様子もご案内する予定です。どなたでも無料でご参加いただけますので、ぜひいらしてください********ハヤチネンダはこの11月27日で4周年を迎えます。少しずつではありますが、山ノ上倶楽部の会員も増え、景観をつくる定例活動「森入リ」にも多くの皆さまが参加くださいました。心から感謝申し上げます。おかげさまで無事4周年を迎えることができました。さて、ハヤチネンダは“いのちと自然の物語をつむぎなおす”、というテーマを掲げて活動している団体ですが、里山で森づくりの作業を進めるほどに、私たち人間の自然への関与がどうあれば良いのか、迷うことも増えてきています。厳しくも豊かな迷いでありますが、4周年となる今年は、北海道大学から小池孝良先生をお招きし、人が森に手を入れるときの「美学」という視点を学ぼうと思いました。 北大で100年も続く、「森林美学」という伝統講義 北海道大学農学部には約100年にもわたって続いてきた伝統講義「森林美学」という学問があります。私たち日本人のうち、特に都市部に住む人ほど森林を「美しいもの」とイメージしている人が多いと思いますが、実際のところ、東西に長く、高低差もある日本には多様な森林の風景がありますし、環境の変化によって、森林は常に姿を変え続けています。定まることのない森林における「美学」とは何を学ぼうとするものなのか、ドイツで発祥した「森林美学」が日本で100年も大切にされてきたのはなぜなのか、北大の伝統講義を受け継いで講じてこられた小池孝良先生にお話をうかがいます。 人間が中心ではなく、人間も自然の一部として捉える里山の森づくりを考える 森林美学の創始者であるザーリッシュは「美しい森林は最も利用価値の高い森林である」と述べています。「利用価値の高い」などと言われると、自然を蔑ろにするようで、少し違和感を覚えてしまうかもしれません。でもそれはザーリッシュの意図するところではないようで、別の言葉で表すと、「森林の美しさを追求することは、持続可能な森づくりにつながる」という考え方が基本にある学問なのだそうです。それならばもっと知りたい!1918年、ドイツ留学で当時最先端の林学を学んだ新島善直氏(初代教授)と教え子の村山醸造氏の共著による日本版『森林美学』が上校されました。1918年といえば第一次世界大戦の好景気を背景に、全国で開拓や木材生産など森林への影響が拡大した時代です。既に日本の天然林の多くは乱伐によって消失し、各地で育成林業が発達してきていましたから、森林の姿は人間との関わりに大きく影響されていました。新島先生方が、『森林美学』を著したのは、近代化に伴い、森林への働きかけの方向を誤ることのないよう、「美学」をもって森林に関わる姿勢を追及しようとしたものではなかったか、と小池先生はおっしゃいます。私たちハヤチネンダが通う森林は、遠野の限界集落にあって、利用者の居なくなった薪炭林と皆伐後の二次林、人工林、休耕田が連なる里山です。それは人間が利用するために開拓された自然であり、人間不在のまま放置すれば、長い時間をかけて原生林のようなバランスに遷移していくのかもしれません。けれども、里山の豊かな生態系とは人の暮らしとともにあるものであり、日本の森林のほとんどが人との関わりを持ってきた事を思えば、私たちは、人と関わる森林の美しさを学び、どうすれば私たちのふるまいが、豊かで美しい森を次の世代へつなぐことに資するのか、探していきたいと考えています。森林はそれ自体が多様な生態系です。その豊かさや美しさを維持するためには、幅広い科学的知見と具体的な技術、森づくりの哲学と森に関わる喜びや楽しみが、両輪となっていることが不可欠です。森林美学は、つきつめれば、まだ見ぬ子孫のために豊かな森林を利用し残す科学を推進するための基礎学。時代が変わっても変わらない意義が、そこにあると考えています。「森林美学が提示するもの 小池孝良 談 / 神籬 第66号(2022年10月発行) 特集:日本人が森に学ぶこと。」より私たちが山ノ上倶楽部の活動として毎月実施している「森入リ」では、“いつか自分が還る風景を自分でつくる”を森づくりのテーマのひとつとしています。これまでご一緒頂いた方も、これからご参加いただくことを考えている方も、ぜひご参加ください。当日は遠野から中継を挟みつつ配信いたします。延長戦の放課後倶楽部では、中継リクエストにもお答えしてみようと思いますので、お忙しい時期とは思いますが、土曜の午後のひととき、一緒いただけたら嬉しく思います! 今年も、遠野のクイーンズメドウからおとどけします!馬たちに会えるかも! 当日は遠野から中継を挟みつつ配信いたします。延長戦の放課後倶楽部では、中継リクエストにもお答えしてみようと思いますので、お忙しい時期とは思いますが、土曜の午後のひとときに、一緒いただけたら嬉しく思います。 通信の届くところに居てくれたら、エリアナ、エリ、エリザ、アル、サイの今をお伝えできるかもしれません。-----------------------------------------------------------------------------テーマ:“森林美学”から紐解く、里山の風景 & 初冬の遠野たより / 小池孝良さんを迎えて(ハヤチネンダ設立4周年記念プログラム)日 時:2023年12月9日・土曜日・14:00〜16:00 場 所:オンライン(Zoomを予定)*見逃し配信あります内 容:小池孝良さんのお話+遠野フィールドの今(中継)    その他 今年と来年の山ノ上倶楽部の活動についてなど参加費:無料参加方法:お申し込み頂いた方へ当日の午前中に視聴URLをご案内いたします------------------------------------------------------------------------------【案内人】 小池孝良 (こいけ・たかよし) 北海道大学名誉教授 農学研究院研究員。1953 年兵庫県生まれ。名古屋大学大学院農学研究科博士後期課程中退。林野庁林業試験場、スイス連邦 森林・雪・景観研究所博士研究員、東京農工大学助教授、北海道大学農学部演習林教授などを経て現職。2016 年より島根大学生物資源学部非常勤講師。専門分野である森林生理生態学の研究と同時に、北海道大学の講義・森林美学を引き継ぎ、ザーリッシュの著作『森林美学』の翻訳(共編)、論文・講演などを通じて森林美学の普及に尽力してきた。『森林美学への旅』(海青社)、『森林保護学の基礎』(共編、農文協)、『木本植物の生理生態』(共編、共立出版)、『森への働きかけ』(共編、海青社)など著書多数。------------------------------------------------------------------------------ンダ部 on WEB 今後の予定について ンダ部 on WEB では、この後も<いのち>と自然について多方面から考える内容になっています。 詳細が決まり次第ご案内致しますので、今後ともハヤチネンダの「ンダ部」に関心を寄せて下さると嬉しく思います。 *ンダ部 on WEB 情報のアップデートについては、ンダ部へご登録頂いた方へ不定期にお送りいたします。(登録フォームへ)*ハヤチネンダは、<いのち>と自然をテーマに、現代の孤独に向き合い、心の糧となるような、様々なプログラムや研究活動の発信といった社会活動をしてまいります。ご支援いただけたら大変心強く思います。(活動を支援する)