「活動から生まれる数学」数学教育学者・袴田綾斗オンラインゼミ全2回#荒川出版会231202 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2024-01-09T16:32:45+09:00 Peatix 荒川出版会 Arakawa Press 「活動から生まれる数学」数学教育学者・袴田綾斗オンラインゼミ全2回#荒川出版会231202 tag:peatix.com,2023:event-3645373 2023-12-02T14:00:00JST 2023-12-02T14:00:00JST 【荒川出版会ゼミシリーズ第1弾】 数学教育学者・袴田綾斗さんによる、数学を自分の手でつくりだせる!?講座です。本講座は、zoomを用いたオンラインのゼミ形式で進めていきます。アーカイブ配信もありますが、当日のゼミ参加者を中心に講義は展開されます。ご了承ください。<参加対象者> 開催日になるべく参加可能な方 講師からの問いかけに何らかのかたち(発言やチャットなど)でご反応いただける方 ほかの参加者の発言を受け止め、他者との対話に開かれている方 数学に対して苦手意識があり克服したい方、あるいは、数学を「計算するもの」だと思っている方、あるいは、本講座にご関心をおもちの方 スケジュール 一日目:2023年12月2日(土) 14時〜16時30分二日目:2023年12月10日(日) 14時〜16時30分※ 終了時間は目安です。多少の前後があります。 講義について Zoomを利用し、すべてオンラインで実施します。ただし、学生(高校生・大学生・大学院生)に関しては、若干名、一日目を配信会場(荒川区)、二日目はオンラインにて無料で受講することができます(会場までの交通費は参加者負担)。詳細な会場の場所は、開催1週間前までに、申込者にメールにてお知らせいたします。 講座概要 「数学」という言葉はみなさんに何を連想させるでしょうか。その中に「人間の活動」のようなイメージはあるでしょうか。この講座では、数学が人間の活動から生まれるあり様を経験できるような場を設けたいと考えています。数学を一つの学問として捉えようとすると、そこからは例えば「論理的で体系的な知識」とか「抽象的で形式的な概念」といったことが連想されるかもしれません。あるいは、「意味不明な記号の羅列」を連想する方がいるかもしれません。しかし、当然ながら、「数学」というラベルで呼ばれているその学問も、人間がこれまでの歴史の中で形成してきたものです。より細かく見てみれば、例えば「二次方程式」と呼ばれているモノも、いつかどこかで誰かが記号化したり呼び名を整えたりしたがゆえに、私達は対象として考察することができるのです。この過程では、農耕文化の発展に伴って行われるようになった土地測量、理念的(ideal)な図形の面積の求値、x やy などの記号の導入・整備など、人間のさまざまな活動を通じて―そのときどきの問題解決のための(概念的な)道具として、いまの私達が「二次方程式」と呼んでいるソレが形作られてきました。なお、ここでは活動という語をかなり広い意味で用いていることにはご留意ください。実際に見てその動きが分かるような行為だけでなく、心的な対象(表象)を操作する行為、あるいは、多種多様な行為の組合せも活動に含まれています。私は、このような数学を生み出してきた(そしてこれからも生み出していくであろう)人間の活動に強く惹かれています。そして、できるのであれば、そのような数学の側面を多くの人にも知ってもらいたいと考えています。しかしながら、ここで私達は一つの問題に対峙することになります。「数学とはかような活動を通して形成されてきた。つまり、人間の活動から生まれたものだという側面がある。」ということを、上のような例を挙げながら私が説明していったとしましょう。これは、知識の伝達の繰り返しになってしまっています。数学という学問に対する「すでに完成した論理的で体系的な知識」というイメージ、そしてそれに伴う「数学の知識は指導者から学習者に伝達されるもの」という数学学習のイメージについて、その代替となる別の側面を提示したいという意図があったはずなのに、「別の側面があります。ほら、ここにこういう側面があるでしょ。よく見て、よく理解してください。」になってしまっては、結局は同じ構造の反復です。したがって、私からの伝達だけでなく、参加者のみなさんの活動を通した「活動から生まれる数学」の理解が必要になってきます。ここに至って、ようやく本講座の概要を説明できるようになりました:本講座では、人間の活動から生まれるという数学のあり様を、実際に活動を通して経験していただくことをねらいとします。そして、数学をつくること─数学することといってもよいでしょう─を通して、みなさんがすでに有している「数学」に関する経験を再構成・再組織化する場を設定したいと考えています。このようなねらいのもと、講座は次の3+αのパートで構成されます。また、参加者のみなさんにも実際に活動していただくというスタイルから、時間を確保するために二日にわけて実施します。なお、二日のうちいずれか一方の参加でも、内容がわからないということはないような展開になっています。 各回の内容 一日目(2023.12.02)①「数学はどのような問いを扱うのか?」を探究するこのパートでは、いくつかのゲームとその解法の考察を通して、数学ではどのような事象・現象が問いの対象となるのかを経験します。当然ではありますが、「問い」は問題解決活動において非常に重要な役割を担っています。その活動の始点でもあり、活動の範囲をある程度規定するものでありますね。したがって、「何が問いの対象となるのか」を探究することは、その学問を「活動」の視点から捉えるために有効です。②実際に活動を通して数学をつくるこのパートでは、ある場面設定のもとでの問題解決活動を通して、実際に数学的概念がつくられていく様を経験します。こちらで題材や問題を提示し、みなさんがその解法を考えることで「確かに、こんな場面でこんな概念が必要になるのは自然かも」と実感していただきたいと考えています。二日目(2023.12.10)③活動を通して数学がつくられてきた様を知るこのパートは上の①②とは異なり、講義形式で進めます。内容を大雑把に言えば、数学の発展史を扱います。数学の歴史の中には、転換期ともいえるような時期があります。すなわち、後の数学の流れを大きく変えるような出来事があった時期です。この時期には、ある問題群を一気に解決できるような概念的道具が発明されたり、また、新たに別の問題群を発生させるような概念が開発されたりしました。このような時期の数学的活動に着目して、その史的展開に触れることで、数学が活動を通していかにつくられてきたのかを知っていただくことがねらいです。なお、ここでは「知識の伝達」が主たる学習形態となりますが、①②のパートを通して、具体的な活動のイメージができていると思いますので、単なる情報のインプットにはならないものと考えています。(2日目だけ参加の方にも、できるだけ「活動」の臨場感が理解できるような解説を心がけます)+α 開かれた数学の学びへ①〜③のパートを通して、「活動から生まれるもの」という数学の側面が強調されます。しかし、数学は完全に人間のものなのでしょうか。ここで、二つの対になる言葉について考えてみたいと思います。すなわち、「発明」と「発見」です。数学が人間の活動から生まれるものであることが強調されると、この二つの言葉のうち、数学と親和性が高いのは「発明」の方だと思われます。一方、数学と「発見」の組合せもしっくりくるのではないでしょうか。実は、多くの数学者にとっても「数学(における定理)は発見である」のほうがしっくりくるのです。最後のパートでは、このことについてオープンなディスカッションを設けたいと考えています。数学は発明か発見か。これは、数学は人間とは独立に存在するのか否か、といった哲学的な論点を含んでいます。しかし、私が意図しているのは実在論に関するテクニカルな議論でありません。数学の学びに関する(あるいは広く学びや勉強に関する)姿勢、在り方をみなさんと一緒に考えたいのです。そして私は、発明と発見を行ったり来たりするような、いわば持ちつ持たれつな性格が、数学を学ぶ意義を考える上で大事だと思っているのです。私も明確な結論はもっていません。私からのオープンな問い、そして参加するみなさんとのディスカッションを通して、(数学の)学びに関する契機をつくれたらと考えています。 講師紹介 袴田綾斗(はかまた・りょうと)──こんにちは。袴田 綾斗(はかまた りょうと)です。大学院の修士課程まで数学の研究をしていました。その後、中学・高校の数学科教員を経て、現在は大学にて数学教育に関する研究を進めています。研究の関心はいろいろな方向に伸びていますが、特に、知識伝達型の数学教育の限界や、代替となる新たな数学教育の在り方に焦点を当てて考えています。このようなことを考えている中で、「すでにつくられてしまっている数学」の伝達ではなく、「人間のいろいろな活動から生まれていく(つくられていく)数学」の体験が必要だと思うようになりました。そして、この体験は学校の「数学科」の授業に閉じたものではなく、もっと広く多様な学びの場において実践されていくとよいのではないかと考えています。この講座では、みなさんが数学の「人間くさい」側面についていろいろなことを考え、つくり、共有し、そしてまた考え…といった経験ができる場を設けたいと考えています。一緒に楽しく数学しましょう。どうぞよろしくお願いします。 注意事項 本講座はZoomにて開催します。アプリをインストールしなくてもご参加いただけます(ブラウザからの参加可)。 一日目、二日目ともに録画のうえ参加者の皆様に共有しますので、一部ご参加が難しい場合もご参加いただけます。 本講座では、適宜、講師からの問いかけがあります。音声またはZoomのチャットでご対応できるご準備をお願いいたします。 本名でのご参加を推奨しますが、ニックネームでご参加いただいても構いません。 本講座の最少催行人数は10名です。また、ゼミ環境を保つために定員50名を設定しています。 11月30日(木)21時の時点で最少催行人数に達していなかった場合は本講座の開催を中止させていただき、参加登録をされた皆様へご返金手続きをいたします。 チケット購入後のキャンセルはできません。あらかじめご了承ください。 領収書に関しては、こちらをご確認ください。 下記に当たる行為が判明した場合は受講をその場で打ち切らせていただくことがございます。 1枚のチケットの複数名利用 講座の進行を著しく妨害するような行為・発言 レジュメの無断配布・アップロード 講座動画・写真の無断配布・アップロード  その他のお問い合わせについては下記にご連絡ください arakawa.press(at)gmail.com     ※(at)は@に変換をお願いします。 主催等 主催:荒川出版会 Xバナー・ポスターデザイン:上條美沙子 X / Instagram