ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を(あなたの自叙伝として)読む | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2024-01-24T21:02:00+09:00 Peatix 国立人文研究所 ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を(あなたの自叙伝として)読む tag:peatix.com,2023:event-3642126 2023-09-25T19:30:00JST 2023-09-25T19:30:00JST 【講座概要】 私たちは生涯に何冊の本を読むでしょうか。そのうち何冊が、あなた自身のことを理解するよう仕向けるのでしょうか。読み手の疑問を封殺するのではなく読み手に当惑を語らせるテクストはどれほどあり、そのように仕組まれたテクストがあなたを見つける可能性はどれくらいでしょうか。『哲学探究』(以下、『探究』と呼びます)の序文には次のようにあります。「他の人々が私の書物によって自分で考えずに済ませることを私は望まない。私が望むのは、それが可能だとして、人が自身で思考するよう私の書物が励ますことである。」もしあなたが自身で何ごとかを語ることができると思う主体であるとして、そして、それをどのようにやりおおせてきたかを知りたいのであれば、ウィトゲンシュタインの『探究』は、あなたにとって替えのきかない一冊になります。 9月期では、『探究』46節以降の、「「名」、「単純なもの」、「分析」—『論考』形而上学の核心」という見出し(b)が付けられた箇所から読む予定です。(4月期の終了箇所次第で、変更になることがあります。)『探究』は一見すると、ウィトゲンシュタインの過去の著作『論考』の言語観を、日常言語からまったく遊離した考え方として退けようとするように見えます。しかし、『探究』を丹念に読んでいくと、そもそも退けられようとする『論考』の言語観が、どのようなものであるかを吟味することになります。文を構成する最小単位が得られることを前提とする『論考』の言語観は、どのような条件や取り決めを与えることを要請していたか、そしてその要請を無言で行うことでいかに読み手を抑圧してきたかが詳になります。この吟味を通じて私たちは、明示化された要請を能動的に引き受けることができるようになるでしょう。 ゼミでは、講師が用意したレジュメに沿って、『探究』の邦訳を、一節ずつ読み進めていきます。邦訳とドイツ語の原文とを比較することで細かいニュアンスを確認することがありますが、ドイツ語が読めなくても大丈夫です。そのほか、『探究』の英訳や、前期ウィトゲンシュタインの著作である『論考』、ウィトゲンシュタインと関係の深い数学者・哲学者であるフレーゲのテクストを参照しつつ進めます。参加者の方はいつでも発言できますが、ゼミの最後にまとまった質問時間を設けます。 本講座では、『探究』を意味あることとして取り扱う主体としてのあなたが、どのような手つきでこのテクストを取り扱おうとしているかを最も重要なこととして考えます。テクストにあなたが何を見たかについて語ろうとするとき、あなたの言葉はもつれ、当惑で一杯かもしれません。しかしそのもつれと当惑が、あなたがあなた自身を理解するプロセスそのものです。そうした乱れを巧妙に隠してしまわないように、私はみなさんのガイドとなりたいと思います。オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を用いて行います。==========タイトル:ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を(あなたの自叙伝として)読む(全8回) 初回日時: 2023年9月25日 (月) 19:30 - 21:00日程  : 9月‐12月の第2・第4月曜日(9月は第4月曜日のみ、11月は第1・第2・第4月曜日)(9/25、10/9、10/23、11/6、11/13、11/27、12/11、12/25)場所  : オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座YouTubeにて見逃し配信あり(受講生限定、講座期間内のみ、参加者との質疑応答の時間は除く)【※本講座は受講生の方々との双方向コミュニケーションを重視する「人文学ゼミ」となっております。受講の際はご注意ください。】 参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円※学生でお申し込みの方は、(1)当日までに、学生証の画像・写真をinfo@kuniken.orgまでメール添付にてお送りいただくか、(2)お申込み時のアンケートフォームの「学生確認用メールアドレス記入欄」に、大学などの在籍先が発行したメールアドレスをご記入ください。 各回の予定第一回:(b)「「名」、「単純なもの」、「分析」—『論考』形而上学の核心」、特に(b1)「名」と「単純なもの」の形而上学(46-47)第二回:(b2)「単純—複合的」という概念に関する言語ゲーム的考察(48-52)第三回:(b2)「単純—複合的」という概念に関する言語ゲーム的考察(48-52)第四回:(b3)「言語ゲームの規則」という概念(53-54)第五回:(b4)「名」と「単純なもの」の形而上学再考(55-59)第六回:(b4)「名」と「単純なもの」の形而上学再考(55-59)第七回:(b5)『論考』の「分析」概念について(60-64)第八回:(b5)『論考』の「分析」概念について(60-64) 参考図書【教科書】L. ウィトゲンシュタイン、『哲学探究』、鬼界彰夫訳、講談社、2020年。【参考文献】Wittgenstein, Ludwig: Philosophische Untersuchungen = Philosophical Investigations, G. E. M. Anscombe, P.M.S. Hacker and J. Schulte (trans.), Rev. 4th ed., Wiley-Blackwell, 2009.L. ウィトゲンシュタイン、『哲学探究』、丘沢静也訳、岩波書店、2013年。——、『ウィトゲンシュタイン『哲学的探求』』、黒崎宏解説・訳、第一部・第二部、産業図書、1994-5年。——、『ウィトゲンシュタイン全集8:哲学探究』、藤本隆志訳、大修館書店、1976年。——、『論理哲学論考』、野矢茂樹訳、岩波書店、2003年。——、『論理哲学論考』、丘沢静也訳、光文社、2012年。大谷弘、『ウィトゲンシュタイン明確化の哲学』青土社、2020年。——、『入門講義ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』』、筑摩書房、2022年。本講座では、鬼界彰夫訳を教科書として採用し、必要に応じて他の邦訳や原文、英訳を紹介します。ドイツ語が読めない方でも参加することができます。 講師槇野 沙央理(まきの さおり)大正大学等、非常勤講師。専門は、ウィトゲンシュタインの哲学。論文に、「「対概念をどう改造すればテクストに対して能動的となれるか——「治療的な哲学」と「構築的な哲学」」(『アスペクト・概念形成研究』、アスペクト・概念形成研究会、第1号、pp. 1-24、2022年1月)、「比較対象としての後期ウィトゲンシュタイン——ホワイトヘッドとは異なる言語の創造性へ」(『プロセス思想』、日本ホワイトヘッド・プロセス学会、第21号、pp. 34-52、2022年1月)、「『論考』を意味あることとして取り扱おうとした主体は本当にあなた自身であるか」、『現代思想:2022年1月臨時増刊号 総特集=ウィトゲンシュタイン -『論理哲学論考』100年-』、2021年12月、pp. 91-104。博士論文に、『自己明晰化としてのウィトゲンシュタイン哲学——治療的解釈を超えて』(千葉大学大学院人文社会科学研究科、2020年)。2023年4月に開催した国内ワークショップ“Pre-Workshop: Wittgenstein and Traditional German Philosophy 2023”を踏まえ、2024年に国際ワークショップ“Wittgenstein and Traditional German Philosophy”を東京で開催予定です。ホームページ:https://saorimakino.weebly.com オンライン会議室ご招待状: チケットご購入の方に、Peatixの自動送信メールにてご案内いたします。※チケット購入の際にアンケートへのご記入をお願いいたします。※ご不明な点がございましたら、Peatixのメッセージ機能を用いるか info@kuniken.org までお問い合わせください。 Peatixチケット購入締切: 講座最終回の終了時21時00分まで販売しております。途中からお申込みいただいた方には終了した回の見逃し配信のご案内をお送りいたします。 ==========KUNILABOではほかにもいろんなオンライン講座を企画中です。詳細が決まり次第ご案内いたします。ご期待ください。