【トーク】法制度から読み解くフランス社会――年金改革反対デモはなぜ激化したのか? | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2023-06-08T19:30:21+09:00 Peatix kazu 【トーク】法制度から読み解くフランス社会――年金改革反対デモはなぜ激化したのか? tag:peatix.com,2023:event-3581033 2023-05-31T20:00:00JST 2023-05-31T20:00:00JST フランスというとみなさんはどういったイメージをお持ちですか。華やかな音楽や映画、文学や思想といった、芸術文化の国でしょうか。あるいは、おいしい料理とワインといった美食の国でしょうか。フランスの政治ニュースも最近はよく聞くようになっています。2018年ごろから始まった「黄色いベスト運動」は、社会保障や環境問題をめぐるものです。2023年には年金改革に反対する大規模なデモがなされ、市民と政府が激しく対立しました。デモやストライキが頻発する背景にはフランス特有の政治文化がありますが、どうしてそこまで激化するのか、なかなかわかりにくいことも否めません。フランスは人権保障をめぐって独自の法制度を作り上げている国でもあります。国会議員を男女同数にすることを目指す「パリテ」、フランス特有の政教分離である「ライシテ」、婚姻と異なる新たなパートナーシップの形である「パックス」などが有名な例としてあげられます。他にも、移民政策、環境保護政策、生命倫理法、新型コロナウイルス感染拡大防止対策……など、先進各国が共通に抱えている問題についてフランスは独自の取り組みをしています。『フランス憲法と社会』は、こうした法制度を素材としながら、フランスの社会や文化を理解しようとするものです。トークイベントでは著者からお二方をお呼びし、フランスの法と社会の魅力について存分に語っていただきます。【ゲスト】小林真紀 フランス法・ヨーロッパ法・生命倫理法東京都生まれ。愛知大学法学部教授。上智大学大学院法学研究科法律学専攻博士後期課程単位取得満期退学後、愛知大学法学部専任講師などを経て現職。1995年から1997年までフランス政府給費留学生としてパリ第一(パンテオン-ソルボンヌ)大学に留学し、D.E.A(国内公法)を取得した。この留学中に「小びと投げゲーム事件判決(Arrêt du "lancer de nain")」に接し、フランス法における「人間の尊厳」の概念の創成に関心を持ったことがきっかけで、その延長線上にある生命倫理法を主たる研究の対象とするようになった。フランスの生命倫理法は、ヨーロッパ人権条約およびEU法から多大な影響を受けつつ改正を繰り返してきたことから、ヨーロッパ法の動向にも関心を持っている。2020年から1年間、(ロックダウン真っ只中の)ルクセンブルク大学で終末期医療関連法の研究をおこなう機会を得た。業績についてはresearchmap参照のこと;https://researchmap.jp/read0211567石川裕一郎 憲法・フランス法東京都生まれ。聖学院大学政治経済学部教授。早稲田大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学後、聖学院大学政治経済学部専任講師などを経て現職。主な論文に「〈自律〉〈主体性〉〈法ユマニスム〉:アラン・ルノーにおける個人主義の再定位」(『早稲田法学会誌』49巻、1999年)、共著書に『フランスの憲法判例』(信山社、2002年)、『フランスの憲法判例Ⅱ』(信山社、2013年)、『現代フランス社会を知るための62章』(明石書店、2010年)、Le nouveau défi de la Constitution Japonaise : Les théories et pratiques pour le nouveau siècle(L.G.D.J.、2004年)、共編著書に『映画で学ぶ憲法Ⅱ』(法律文化社、2021年)、共訳書に『フランス法律用語辞典〔第2版〕』(三省堂、2002年)など。【ホスト】吉良貴之 法哲学専攻。東京大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程満期退学。現在、愛知大学法学部准教授。研究テーマは世代間正義論、法の時間論、法と科学技術、およびそれらの公法上の含意について。主な論文として「世代間正義論」(『国家学会雑誌』119巻5-6号、2006 年)、「将来を適切に切り分けること」(『現代思想』2019 年8月号)。翻訳にキャス・サンスティーン『入門・行動科学と公共政策』(勁草書房、2021年)、エイドリアン・ヴァーミュール『リスクの立憲主義』(勁草書房、2019年)、シーラ・ジャサノフ『法廷に立つ科学』(監訳、勁草書房、2015 年)など。