「ユングの東洋思想論を読む」第4回 「黄金の華の秘密」注解(4) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2023-05-19T19:28:32+09:00 Peatix nohaku 「ユングの東洋思想論を読む」第4回 「黄金の華の秘密」注解(4) tag:peatix.com,2023:event-3570743 2023-05-11T20:00:00JST 2023-05-11T20:00:00JST 「ユングの東洋思想論を読む」第4回 「黄金の華の秘密」注解(4)< zoom配信 >※ ユングスタディは、通例では第一木曜日開催ですが、  5月は第一週に連休があるため、特例として第二木曜日開催となります。  ご注意ください。 2023年度のユングスタディ企画は「ユングの東洋思想論を読む」です。ユングが東洋思想について論じた様々な文章を取り上げて読んでいきます。最初に取り上げるテキストは、中国学者ヴィルヘルムが独訳した道教の瞑想書「太乙金華宗旨」に、ユングが寄せた心理学的観点からの注解です。前回4月6日のスタディでは、「基礎概念」の箇所を読み進めていきました。 ユングは「道(タオ)」を、「真に意識しつつ行くこと」あるいは「はっきり意識された道」と解し、分離されている意識と生命法則との再統合が「道(タオ)の実現」である、と捉えています。そして対立するものの統合とは、「象徴の中に自己自身を表現してゆく心理的発達過程」であり、この過程が深められていくと、自然発生的に産出するイメージは、ユング言うところの「マンダラ象徴」になっていきます。 このマンダラ象徴には、関心を心の中なる聖域へと引き戻すとともに、外的な影響を防ぐ魔術的作用があります。マンダラは、対立する意識と生命が統合する場であり、心の源泉であるとともに到達すべき目標です。ユングは「太乙金華宗旨」における「黄金の花」とは、このマンダラ象徴のことであると指摘します。  またユングは、書物内にある「回光(光を回転させる)」という観念に関連して、回転運動は聖域を隔離し、固定し集中する作用を持っているとします。回転とは、人格のあらゆる側面がともに活動し始めるとともに、すべての周辺的なものが中心的なものの指揮下におかれる、つまり道(タオ)が活動し始めて主導権を取るようになることを意味します。 この中心的なものこそ、ユングの考える、心全体の中心たる「自己 Selbst」であり、対立するものはこの自己のもとで統合されることになります。中心的なものの体験は、精神的で実体的な個性が、身体的また現象的な人格の内部に生れることであり、超越的段階における人間の再生を示すものなのです。 前回では、ユングが「道」と同じ内容を示す言葉として、「共時性 synchronicity」を提唱したことにも触れました。ユングがこの言葉で言わんとすることは、事実を種々の実体に分割する西洋の見方とは異なる、総合的事実をそのものとして受け入れて「意味」を問う東洋的なものの見方のことです。「道」が活性化することで、同じ「意味」を持った現象があちこちで非因果的に現れる、それこそが「意味のある偶然の一致」としてユングが定義した共時性です。 ※ 前回スタディのより詳しいダイジェストは、   以下の当会HP、および当会フェイスブックに掲載しております。  https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2023年-通期-ユングの東洋思想論を読む/  https://www.facebook.com/ユング心理学研究会-281102485276364/   *********** 今回のスタディでは、「黄金の華の秘密」注解の中の「道(タオ)の諸現象」の章を読み進めます。 「道の諸現象」というタイトルだけでは何のことなのか分かりづらいですが、ユングは「道」を、「真に意識しつつ行くこと」あるいは「はっきり意識された道」と解しています。要は、無意識から現れてくるイメージをしっかり意識していくことで、実際にどのような心理的現象が起きるのかについて論じている箇所になります。 この箇所では「意識の解消」および「アニマとアニムス」の二項目が挙げられています。前者では無意識に向き合った際に起きる意識の危機的状況について、後者ではユングの臨床経験を通した「陰陽」の理解が述べられていきます。        案内役:白田信重、岩田明子(ユング心理学研究会)       司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)    ---------------------------------      第4回:5月11日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)    ■ テキスト: C.G.ユング「ヨーロッパの読者への注解」        (ヴィルヘルム共著『黄金の華の秘密』、         湯浅泰雄・定方昭夫訳、人文書院、1980.3 所収)               ・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。   ・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。   ・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。    ■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)  ■ 会費:1,000円   ・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。   ・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。    (諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください)  ■ 参加申し込みページ https://jungstudy20230511.peatix.com   ■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/  ■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp