第6回 渡邉 格「菌の声を聴く─タルマーリーの動的なモノづくり」アーカイブ(2022.11.19) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2023-10-30T23:01:33+09:00 Peatix チーム「めだか」 第6回 渡邉 格「菌の声を聴く─タルマーリーの動的なモノづくり」アーカイブ(2022.11.19) tag:peatix.com,2023:event-3567250 2023-04-30T00:00:00JST 2023-04-30T00:00:00JST 連続講座「陽楽の森から考える─新常態〈 ニューノーマル 〉の輪郭」ニュータウン開発された都市のなかに取り残された「陽楽の森」から、「新常態」と呼ばれるこれからの時代の「森と社会」の関係を考えます。20世紀後半の高度経済成長期やバブル期に謳歌されたような経済的繁栄とは違って、「新常態」においては、「植物の生長に依拠した社会発展」があってこそ営まれる「暮らしの充実」が求められます。では、そのとき、どのくらいの広がりや奥行きをもって「考える」ことの輪郭を描くことができるでしょうか。「陽楽の森」連続講座では、その「輪郭」を、林業政策、林学、生態学、さらに土中環境、菌、建築、福祉、そして政治思想、哲学という多様な領域にわたって、森のいわば「目に見える相貌」から「目に見えない相貌」までをとりあげ、全10回をつうじて浮き彫りにします。第6回「菌の声を聴く─タルマーリーの動的なモノづくり」(2022.11.19)渡邉 格タルマーリー・オーナーシェフ。東京都出身。千葉大学園芸学部卒業。2008年千葉県いすみ市にてタルマーリー開業。真庭市勝山を経て、2015年鳥取県智頭町に移転し「野生の菌で醸すパン・地ビール&カフェ」タルマーリー開業。『菌の声を聴け-タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案』(渡邉麻里子と共著・ミシマ社・2021)、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社・2013)タルマーリー https://www.talmary.com   渡邉格さんは、鳥取県智頭町で、野生の菌でパンとビールを作っています。パンのもととなる酒種の麹菌による発酵は、かつては日本各地の酒蔵で見られましたが、いまでは2~3軒しか残っていません。それは技術が廃れたのではなく、菌が繁殖する環境が失われたからです。たとえば、自動車の交通量が多いとか、農薬散布があると、麹菌がとれずに他の菌が繁殖してしまいます。野生の菌は工業化された純粋培養の菌と違って暴れるので扱うのは大変ですが、それだけに生命力を引き出すことによる滋味があります。タルマーリーでは、野生の菌だけでなく、小麦粉も自然農法によって栽培された小麦を自ら製粉して使っています。かつて日本の村々では収穫した小麦を挽いていましたが、いまでは大手の製粉会社の独占となり、粗い小麦粉が手に入りません。こうして味覚さえも工業化に慣らされてしまっているのです。第6回では、パンクロックのようにとんがった、個性あるパンやビールをつうじて、食べることの意識を変えること、そのことは食にとどまらず、文化や生きることへとつながるという、タルマーリーの問題提起を共有したいと思います。   「陽楽の森」連続講座全10回 https://toyouraku.com/lectures第1回 泉 英二「21世紀はどのような時代にしなければならないのか─文明史的観点から考える」(2022.6.18)第2回 大住 克博「林業と技術─イメージと実像」(2022.7.16)第3回 湯本 貴和「『里山の価値』の創造と地域の未来─林業から森林業へ」(2022.8.20)第4回 三橋 弘宗「共創型の小規模技術による自然再生と地域づくり─展示づくりから自然共生エリアまで」(2022.9.17)第5回 高田 宏臣「土中環境─『杜』を支える生命循環」(2022.10.15)第6回 渡邉 格「菌の声を聴く─タルマーリーの動的なモノづくり」(2022.11.19)第7回 内山 節「自然との関係を通して現代社会を捉え直す─未来社会のデザイン」(2022.12.17)第8回 伊藤 立平「「森の風景─生きているものから建築をみる」(2023.1.21)第9回 鈴木ゴリ宣仁「療育と森─多様性がうみだす持続可能な世界」(2023.2.18)第10回  堀田 新五郎「撤退学と陽楽の森講座」(2023.3.18)