ありえたかもしれない今を発明する ――早稲田大学合同展示「Grayscale」 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2021-11-15T10:32:15+09:00 Peatix amu(あむ) ありえたかもしれない今を発明する ――早稲田大学合同展示「Grayscale」 tag:peatix.com,2018:event-345389 2018-02-09T19:30:00JST 2018-02-09T19:30:00JST  2/10より2日間に渡って “Grayscale” をテーマにしたメディアアート展が開かれます。その前夜の9日金曜日、草原真知子氏、橋田朋子氏、ドミニク・チェン氏が今回のテーマの意味と可能性をディスカッション。情報技術に関わる方、教育に関わる方、テクノロジーに関わる方が新しい視座を得られるトークイベントです。当日は、翌日から展示される作品の一部も先行して公開いたします。 あらゆるものを「0/1」へと変換するデジタルテクノロジーの進化と共に、思考や事象も二極化しがちな現代において、その極の間を思考する Grayscaleというコンセプト。早稲田大学の文化構想学部 草原真知子教授、ドミニク・チェン准教授、基幹理工学部 橋田朋子准教授がいまなぜ Grayscale という観点が必要なのか、そしてそれが導く物語の可能性について語ります。■Grayscale 展によせて――草原真知子/橋田朋子/ドミニク・チェン 現代のデジタルテクノロジーはあらゆる現象を「0/1」の2進数のデータという定量的な情報に変換します。インターネット上で私たちは、人類の歴史のなかでも比類ない速度と規模で、互いの表現物を発信し、共有できるようになりました。 同時に、人間の趣向や関係性から社会政治的状況に至るまで、あらゆる事象がカテゴリーに分類され、ランキングが可視化され、差異が区別されることが当たり前になりました。情報技術が最も高速に進歩し続けているアメリカでは、GAFA(Google / Apple / Facebook / Amazon)による機械学習を用いた情報のフィルタリングが「右/左」という社会分断を生み出し、人々の志向性が「好き/嫌い」というフィルターバブルに閉じ込められているという批判が生まれています。その中で人工知能に代表される情報技術が人間存在を脅かすという「AI v.s. 人間」論や、いわゆる工学主義的な思考と芸術を含む人文知の乖離を指摘する議論も起こっています。 しかし、私たちが生きる世界に備わっている本来的な豊かさは、人間の価値判断に無意識のうちに影響するブラックボックスとしてのアルゴリズムにも、社会的現実から隔離されたホワイトキューブの理想空間にも見つけることはできないでしょう。私たちが志向し得る可能な未来の群は、むしろ膨大なノイズを含みつつも秩序が明滅し続けるグレーゾーンとしての世界認識の中から生成されるのではないでしょうか。  このような問いから、この展示は様々な極の間にある複雑なニュアンス、グラデーション、中間層の可能な形を模索するために、白と黒の間の階調を意味する「grayscale」というテーマを掲げ、早稲田大学の文化構想学部表象・メディア論系の草原真知子ゼミとドミニク・チェンゼミ、そして基幹理工学部表現工学科の橋田朋子ゼミという、それぞれ背景や学年、技術力も異なるグループ同士のコラボレーションとして企画されました。 ここで提出されたアイデアは、メディアアート、デザイン、エンジニアリングといった区分の中間にある「グレー」な表現ばかりです。言語とクオリア、情報の実在と潜在、具体と抽象、生と死、有機と無機、さまざまな極の間のグレースケールを浮き彫りにしようとする構成になりました。 願わくばこの展示が来場者の方々のなかで様々な「グレースケール」を喚起するきっかけとなれば、企画者としても望外の喜びです。ぜひ皆さまの忌憚なきご感想を頂ければ幸いです。■関連コンテンツ今回の展示によせて草原教授、橋田准教授、ドミニク・チェン准教授のインタヴューも公開中なので、ぜひ併せてお読みください。いま、「グラデーション」でものごとをつなぐ意味 前編いま、「グラデーション」でものごとをつなぐ意味 後編(近日公開予定)■プログラム19:30~20:30 トーク20:30~21:00 ディスカッション、質疑応答21:00~   懇親会(自由参加)【登壇者プロフィール】草原真知子メディアアート/メディア文化の研究者、キュレーター、早稲田大学文学学術院教授。80年代前半からデジタルアートのキュレーションと評論に携わり、つくば科学博、世界デザイン博、東京都写真美術館、NTT/ICCなど国内外の企画展示、プロデュースに関わる。メディア技術と文化・社会・芸術の相関作用をテーマに、デジタル時代のアートと同時に写し絵、幻燈、パノラマなど江戸から昭和初期の映像文化も研究する。論文はMediaArtHistories(MIT Press)、Media Archaeology (UC Press)、Companion to Digital Art (Wiley)、Routledge Handbook of New Media in Asiaなどに収録。SIGGRAPH、アルス・エレクトロニカ、ISEA、広島国際アニメーションフェスティバル、文化庁メディア芸術祭など国際公募展の審査委員を歴任。東京工芸大学、神戸大学、UCLAを経て現職。工学博士(東京大学)橋田 朋子早稲田大学基幹理工学部表現工学科 准教授。博士(学際情報学)。東京大学特任研究員、早稲田大学専任講師を経て2015年より現職。自然物から人工物まで様々な対象の「ありうるかもしれない」を形にするメディアを創り、人の思考と感覚に働きかけることに興味がある。女性博士研究者のチームCHORDxxCODEを創りおしゃべりと共創から生まれるものづくりの形も模索している。これまでに日本バーチャルリアリティ学会論文賞、電子情報通信学会MVE賞、同ヒューマンコミュニケーション賞などを受賞し、経済産業省第1回 Innovative Technologiesに選出。またSIGGRAPH、Asia Digital Art Award、Media Ambition Tokyoなど国内外で研究・作品を発表している。ドミニク・チェン博士(学際情報学)、2017年4月より早稲田大学文学学術院・准教授。メディアアートセンターNTT InterCommunication Center[ICC]研究員/キュレーターを経て、NPOコモンスフィア(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)理事/株式会社ディヴィデュアル共同創業者。2008年IPA未踏IT人材育成プログラム・スーパークリエイター認定。NHK NEWSWEB第四期ネットナビゲーター(2015年4月〜2016年3月)。2016年、2017年度グッドデザイン賞・審査員「技術と情報」「社会基盤の進化」フォーカスイシューディレクター。著書に『謎床:思考が発酵する編集術』(晶文社、松岡正剛との共著)など多数。訳書に『ウェルビーイングの設計論:人がよりよく生きるための情報技術』(BNN新社)、『シンギュラリティ:人工知能から超知能まで』、(NTT出版)。■早稲田合同作品展示「Grayscale」詳細はこちらの告知ページをご覧ください【日時】2/10(土)14:00-18:002/11(日)10:00-18:00 【参加ゼミ】草原真知子(早稲田大学文化構想学部表象メディア論系 教授)橋田 朋子(早稲田大学基幹理工学部表現工学科 准教授)ドミニク・チェン(早稲田大学文化構想学部表象メディア論系 准教授)【参加費】無料 Updates tag:peatix.com,2018-02-01 02:46:48 2018-02-01 02:46:48 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#312711