SPCS|Season2「野生と手入れ」(講師:植彌加藤造園 太田陽介、鷲田悟志) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2023-02-27T12:03:13+09:00 Peatix FabCafe Kyoto / MTRL KYOTO SPCS|Season2「野生と手入れ」(講師:植彌加藤造園 太田陽介、鷲田悟志) tag:peatix.com,2022:event-3420230 2022-12-17T09:00:00JST 2022-12-17T09:00:00JST 自然のアンコントローラビリティを身体化し、新たな共創関係を探究するプログラム マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。コントロールできない自然の力は、厄介者やエラーと扱われることも多く、排除や操作がおこなわれてきました。しかし、人間が操作しきれない生物多様性をいかにポジティブに捉え直し、「エラー」をクリエイティブに生かすシステムをデザインできるかが、これからの活動のポイントとなってくるでしょう。SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら自然との共創関係を探るシリーズプログラムです。  毎シーズンさまざまな領域の講師を迎えてワークショップを実施。自然を人為的にコントロールするのではなく、創造的なアプローチを探究します。また、自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、プロトタイピングや、スペキュラティブなアウトプットにチャレンジしています。活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ Season2|庭づくりのアート&サイエンスを体験する 全面的な生態系の保護を目指している言説の数々はあまりにもノスタルジックであり、自然の創出力について無知であるように思われる。しかし庭師は仲介者なのだから、思いがけない出会いの結び目に身を置きながら、生物の動きのひらめきや、ためらいについて助言することができる。(「動いている庭」ジル・クレマン)今回のSPCSのフィールドは、東本願寺の庭園である渉成園。東本願寺が伝える「多様性」や「全ての人を救う」という哲学を受けて、植彌加藤造園の庭師、太田陽介さんと鷲田悟志さんは、渉成園で「多様性とは何か」について向き合い続けています。人間が感じる美しさとは何か?それはどのように更新されるものなのでしょうか?庭園という人工的な場において、人間と自然の持続可能な関係はどう構築されるのでしょう?彼らの活動は自然をコントロールする造園ではなく、自然と協働する造園です。人の手や薬で自然を短期的に操作するのではなく、人のリソースを抑えて、自然の創り出す営みをデザインする挑戦でもあります。今回のワークでは、春に向けて冬に行う大切な仕事である手入れ、「庭掃き」を皆で体験します。落ち葉や草の存在を、エコシステムのアングルから、また、美しさという観点から観察し、どのように落ち葉を掃き、草を抜くのか、太田さんや鷲田さんと実践します。3回の座学やワークでさまざまな庭の手入れを体験しながら、さらに、得た気づきを言語化するために、渉成園の中に新たに作品(あるいは仕掛け)を置くとしたら、どんなものを作りたいか考えてみます。最終回では、アート・メディエーターとして、さまざまな社会課題と美術表現を繋げている、はがみちこさんに講評いただきます。庭園での3回のワークを通して、私たちの「美意識の更新」に挑戦してみましょう。キャプション左:京都の歴史ある庭園を数多く手掛ける植彌加藤造園。今回のワークショップの舞台となる渉成園の秋の様子。キャプション右:山県有朋が作った庭園として有名な無鄰菴も、植彌加藤造園が手掛ける庭園のひとつ。キャプション:「多様性」をテーマにした庭づくりが実践されている渉成園では、常に実験的な活動が行われている。あえて枯れた大木をシンボルとして残したり、雑草と言われる外来種の草木を残しているのも名勝庭園では珍しい取り組み。 「庭掃き」は人間以外の生きものとの関係構築に直接的に働きかける活動 1849年に創業し、南禅寺や智積院などの京都の数々の名勝庭園を手がけてきた植彌加藤造園。長年培ってきた伝統技術による庭園管理や作庭はもちろん、庭園研究では庭師のみなさんが数々の論文も執筆。庭園を、自然と人間の交差点としての実験的なフィールドとして、伝統を守るだけでなく、未来に向けた多様性のあり方を提案し続けています。365年前に建てられた渉成園も、利用用途も自然環境も違う現代においては、あり方が変わるはずです。人間にとっても、他の生きものにとっても無理なく共存できる環境をどのようにデザインすべきか。そのために、私たちの価値観はどのように更新されるべきなのか、生態学的視点/文化的視点の両面から研究・実験しています。本プログラムでは、「庭掃き(=庭の手入れ)」に挑戦します。これは、人間が思う「美しい状態」と「自然にとって無理のない環境」のバランスをとる直接的な活動。マルチスピーシーズな視点で、どのような選択をするのか、実践を通して考えましょう。講師を勤める植彌加藤造園の太田さんの元々の専門分野はバイオテクノロジー、鷲田さんの専門分野は美術です。ふたりの視点と日々の実験からの学びは、これからの自然との関係をデザインしようとするすべての人にとってヒントとなるはずです。キャプション:松と苔が好むPh値と草とバクテリアが好むPh値が異なるという性質を踏まえて実験的にスタートした「敷松葉」。力づくで「除草」するのではなく、それぞれの種が面白く共存できる環境を整えるのが、植彌加藤造園の取り組みの特長。キャプション:外来種として一般的には除草の対象となるメリケンカルカヤ。渉成園では、あえてこの草も残す取り組みをしている。 「ムダが生物多様性を支えている」ー生態学者、近藤倫生さんによるゲストレクチャー ワークショップ初回のゲスト講師として、生態学者で「自然のバランス」が保たれる仕組みについて研究している、東北大学の近藤倫生教授にお越しいただきます。近藤さんは、2020年に「ムダの進化が生物多様性を支える」という研究内容のリリースを出されています。生態系におけるムダとは何か。私たちはどのように「ムダ」を捉えているのか、それはどのように更新していけるのか、庭を切り口に考えます。関連リンクムダは多様性そのもの 東北大 生態学者 近藤倫生教授インタビュー東北大学プレスリリース:自然界の「ムダの進化」が生物多様性を支える 生物種の個体数増加に寄与しない利己的な性質の進化が導く多種共存 プログラム/スケジュール 12月17日(土)|庭園というバイオアート 渉成園ツアー 太田陽介(植彌加藤造園) 渉成園で実践している多様性の取り組みを実際に歩きながら紹介いただく イントロダクション 質疑応答 庭園における手入れとは 参加者自己紹介 日々の生活であえて自然に委ねていることについて ゲストレクチャー「生物多様性とムダのデザイン」 近藤 倫生(東北大学大学院生命科学研究科 教授) 次回に向けて 手入れについて 太田陽介、鷲田悟志(植彌加藤造園) 宿題:「渉成園に置く作品を作るとしたら」のアイデアを考えてみる 2023年1月14日(土)|手入れ 手入れ 1 ー 草引き入門 手入れ 2 ー 砂利と落ち葉 ワークショップ:作品アイデアのブラッシュアップ ワールドカフェ方式で各自のアイデアをシェア、ディスカッション 1月28日(土)|プレゼンテーション 手入れ 3 ー 松の葉むしり 手入れ 4 ー 瀕死の桜の木と除草 作品プランの全体共有(90min) 講評:はがみちこ(アート・メディエーター)、太田陽介、鷲田悟志 交流会 こんな方におすすめ 都市計画やランドスケープデザインにおいて植物との関わり方を模索している方、バイオフィリアデザインに関心のあるデザイナーや建築家、デベロッパー 植物や虫、微生物など、多様な生物との関わりを思索や表現につなげたい研究者やアーティスト 日本や東洋の文化・産業を、循環型社会や生物多様性などいま求められる価値観としてあらためてビジネスに落とし込みたいプランナーやデザイナー 定員 25名(5名増枠しました 12/8) 参加費 10,000円(全3回通し価格)会場渉成園(京都府京都市下京区東玉水町)FabCafe Kyoto 2F(京都府京都市下京区本塩竈町554)※毎回、ワークは渉成園、レクチャーとディスカッションはFabCafe Kyotoで実施予定。渉成園からFabCafe Kyotoは徒歩5分程度 主催FabCafe Kyoto / 株式会社ロフトワーク企画協力植彌加藤造園株式会社助成観光庁 既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業ご注意  申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日loftwork.com/FabCafe Kyotoのウェブサイトに掲載する場合があります プログラムは、予告なく変更される場合があります。 コミュニケーションツールはDiscordでおこないます(事前準備は不要です) 当日は底の柔らかい、汚れても良い靴でお越しください(ズックやスニーカーなど) 屋外のワークが含まれるため、雨天時の予備日として1月21日(土)を予定しています。 講師 太田陽介(植彌加藤造園株式会社)嘉永元年(1848)創業、植彌加藤造園の職人。東本願寺・渉成園の御用達として担当を務める。渉成園内に息づく生物多様性を守るため、創意工夫を凝らしながら育成管理に励む傍らで、京都の景色に欠かせない東山の林相改善事業の整備や研究にも勤しむ。いきもの全般に愛着を持ち、生物の視点から庭を見ることに重きを置いて渉成園に携わる。自然界にあるものは「とりあえず何でも食べてみる」主義。鷲田悟志(植彌加藤造園株式会社)嘉永元年(1848)創業、植彌加藤造園の職人。東本願寺・渉成園の御用達として担当を務める。理性を超えた芸術作品としての日本庭園の魅力に惹かれ、庭づくりに携わる職人。学びを深めた現代美術をバックボーンに、日本庭園と芸術をより密につなげていくことを目標として日々の手入れに勤しんでいる。風景画の中では特にエドワード・ホッパー作品を嗜む。 近藤 倫生(東北大学大学院生命科学研究科 教授) 京都大学大学院理学研究科にて生態学を専攻。理論生態学分野での研究を推進。2018年、環境DNA学会を設立し初代学会長に着任。2019年、全国の産官学民の参加する環境DNAを利用した生物多様性観測網ANEMONEを立ち上げ主催。2022年、ANEMONE観測情報の公開データベースANEMONE DBを発表するとともに、データ活用と観測の発展を目指す産官学のANEMONEコンソーシアムを設立し代表に就任。あらゆる人々の参加する自然の自治管理システムのあり方を探っている。感情や共感の湧き上がる豊かな「パーソナルな世界」と客観性と批判精神で進むパワフルな「科学の世界」をどう結びつけるかが長年の課題。はが みちこ(アート・メディエーター)1985年岡山県生まれ。2011年京都大学大学院修士課程修了(人間・環境学)。『美術手帖』第16回芸術評論募集にて「『二人の耕平』における愛」が佳作入選。主な企画・コーディネーションとして「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」(kumagusuku、2015)、「國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト」(2017〜)、菅かおる個展「光と海」(長性院、Gallery PARC、2019)など。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。浄土複合ライティング・スクール講師。 Updates tag:peatix.com,2022-12-19 05:55:57 2022-12-19 05:55:57 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#1305039 Updates tag:peatix.com,2022-12-08 03:11:20 2022-12-08 03:11:20 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#1301218