保存修復の理念 —西洋絵画を中心として— | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-12-03T11:45:09+09:00 Peatix GCP 保存修復の理念 —西洋絵画を中心として— tag:peatix.com,2022:event-3378965 2022-11-03T10:30:00JST 2022-11-03T10:30:00JST セミナー概要:1900年代以降、文化財・美術作品の保存修復は、職人的技能に科学や歴史、理念を取り込み一つの学術的分野として発展してきました。その発展の経緯をひもとき、世界の組織と理念の形成を辿ります。修復箇所の識別可能性、修復材料と方法の可逆性、修復材料とオリジナル材料の適合性、最小限の介入といった、今日、遵守されている修復理念の形成に大きな影響を与えたと考えられる事象として、特にロンドン・ナショナル・ギャラリーを舞台に展開した洗浄論争(Cleaning Controversy)や、チェーザレ・ブランディ所長が率いるローマ中央修復研究所で考案された補彩方法トラッテッジォ(Tratteggio)などに焦点を当ててお話します。また、これまでに続けられてきた理念探求の結果、海外では、倫理規定(Code of Ethics)と実務指針(Guidelines for Practice)に従い保存修復専門家(コンサヴァター)が修復を行う仕組みが確立されている国々があります。これらの規定や指針、保存修復専門家の資格や認定制度について概観します。なお、本セミナーでは以下の文献中のいくつかの画像についてお話を致します。お手数をおかけしますが、著作権の関係上あらかじめダウンロードの上ご覧頂けますようお願い致します。西洋絵画におけるクリーニング方法発展の歴史的背景、『文化財修復処置に関する研究会―クリーニングとゲルの利用について―』、東京文化財研究所、2020年、p.33-44( http://id.nii.ac.jp/1440/00008990/ )講師:鳥海 秀実絵画保存修復専門家東京藝術大学大学院文化財保存学修士課程修了。フィレンツェ大学専修課程、文化財保存科学修了。フィレンツェ国立修復機関 Opificio delle Pietre Dureにて研修。現在は、東京文化財研究所、保存科学研究センターのアソシエイトフェロー。チェーザレ・ブランディ『修復の理論』の翻訳者の一人(2005年)。ティナ・グレッテ・プールソン『修復は紡ぎ出す詩 紙に描かれた芸術作品の補彩』を監訳(2014年)。ボッティチェッリ、《若い婦人に贈り物を捧げるヴィーナスと三美神》、フレスコ画、1483-85年頃、ルーヴル美術館、パリ[2017年、講演者撮影]上記作品の補彩部分[2017年、講演者撮影] *******************************************************************Global Conservation Platformについて:コンサヴェーションおよび関連分野に特化したセミナーを運営する団体です。セミナーを通じて知識や経験をシェアしあうことで疑問を解決し、議論できる場を提供するとともに、コンサヴァタやその周辺分野の皆さんがボーダレスに広く繋がることのできるプラットフォームとなることを目指しています。お問い合わせ先:Info@gconsplatform.com運営メンバーについて:■宮城加奈子(みやぎかなこ)コーディネーター、オブジェクトコンサヴァタ東北芸術工科大学 修士課程 芸術文化専攻 保存修復領域(立体作品修復研究室)修了。札幌芸術の森美術館(公益財団法人札幌市芸術文化財団)に学芸員として勤務後、フリーのオブジェクトコンサヴァタに転職。都内および近郊のミュージアム、個人コレクションの保存修復に従事。海外でのインターンシップやワークショップを経験するなかで、コンサヴァタのための情報交換、交流のためのプラットフォームづくりの重要性を再認識し、2020年7月にGlobal Conservation Platformを立ち上げる。■森尾さゆり(もりおさゆり)テクニカルサポーター、オブジェクトコンサヴァタロンドン藝術大学セントラル・セント・マーティンズのガラスアート科卒業後、モザイク工房に6年間勤務。シティー&ギルド・ロンドンアートスクールにて、保存修復を学ぶ。専門は立体物、主に石造、木造、石膏など。ビクトリア・アルバート美術館の彫刻修復室に勤務。2021年に帰国。GCPでは主に広報物のデザインやテクニカルサポートを担当。