ユング「心理学と宗教」を読む(第11回) | Peatix
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2022-09-09T17:32:05+09:00
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ユング「心理学と宗教」を読む(第11回)
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2022-09-01T20:00:00JST
2022-09-01T20:00:00JST
ユング「心理学と宗教」を読む(第11回)< zoom配信 > 「ユング『心理学と宗教』を読む」シリーズの第11回です。 「心理学と宗教」は、ユングが1937年にアメリカ・イェール大学での「テリー講義」として行なった全3回の英語講演の記録です。ユングの宗教観が伺えるだけでなく、ユングの後期研究についての概観としても読むことができるテキストです。 前回7月7日のユングスタディでは、全集パラグラフ127-139(邦訳書p.73-81)を読み進めました。講演も最終盤に入ったところで、ユングは、自身の臨床経験を通して気づいた現代人の宗教性のあり方について言及していきます。 無意識が抑圧されて意識から孤立すると、様々な形での障害や妨害として現れてきます。ユングはこうした意識と無意識の対立問題に対して、人々が見るマンダラのイメージには、全ての要素を包含するような宗教的態度を増幅する作用があるとします。マンダラには完全さと合一が表現されており、「和解象徴」としての位格があるのです。 ユングによれば、現代人が見るマンダライメージの重要な特徴としては、神がマンダラの中心におらず、メカニズムのみがあって中心には何もない、あるいは神ではない別のものが置かれているかです。この事実は、現代では神のイメージが圧倒的な心理学的要因であることをやめていることを表しています。 むしろ今日のマンダラは、自分自身を表すものとして体験されます。マンダラを通して現代人は、「自分自身に立ち返り、自分を受け入れることを学び、自分と和解することが可能になり、それによって困難な状況や出来事とも和解する」ことになっているのです。 現代のマンダラは「神のいる場所が人間の全体性に取って代わられて」います。「神の不在」を抱えた現代人の宗教性は、意識と無意識の全体としての心の中心たる「自己」、つまりは自己実現へと向かっているのです。 ※ 前回までのこのシリーズの内容のダイジェストは、こちらに掲載されています。 https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2021-2022年-通期-ユング-心理学と宗教-を読む/ 次回のユングスタディでは、全集パラグラフ140-156(邦訳書p.81-85)を中心に読み進めます。 ユングはここで、外界への無意識の投影が引き戻されたことで、あらゆるものを自分自身の内に抱え込んでしまった現代人の問題と葛藤とを考察します。そんな現代人の典型的な姿として、「神は死んだ」の言葉で知られるニーチェの『ツァラトゥストラ』が読み込まれていきます。 このあたりの箇所では、ユングが後になって講演録への大幅な修正や書き足しを行っており、現在の全集版にはその修正バージョンが収録されています。これはこの箇所が、ユングの後期研究に直接につながっていくような問題に関わっていることを示しているでしょう。 今回もzoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。 案内役:白田信重(ユング心理学研究会) 司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同) --------------------------------- 第11回:9月1日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45) ■ テキスト: C.G.ユング「心理学と宗教」 村本詔司訳『心理学と宗教』人文書院、1989.4 所収 ・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。 ・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。 ・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。 ■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式) ■ 会費:1,000円 ・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。 ・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。 (諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください) ■ 参加申し込みページ https://jungstudy20220901.peatix.com ■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/ ■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp