第38回 アタマがよくなるクスリを作ることは可能か | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-09-30T21:31:24+09:00 Peatix WirelessWire News 第38回 アタマがよくなるクスリを作ることは可能か tag:peatix.com,2022:event-3336691 2022-08-31T19:30:00JST 2022-08-31T19:30:00JST 東工大はずいぶん昔から、医学部とそれに付随する臨床可能な現場(病院)の必要性を痛感していたはず、と記憶しています。物質科学を極めていくと、どうしても生命や医療の話になるからです。そういうわけで、「国立大学法人東京工業大学と国立大学法人東京医科歯科大学の統合に向けた協議を開始」というニュースは、「国際卓越研究大学」の指定を目指すための苦肉の策、という見方が一般的ですが、研究の現場、特に東工大の生命理工学院などは、歓迎しているんじゃないかとも思いますね(確かめていませんが)。新しく統合される法人は、◯◯機構というような名称になるでしょうから、歴史あるそれぞれの大学の名称は残ると思います。東京工業医科歯科大学では、何がなんだか良く分かりませんからね(これも推測ですけれどね)。さて、今回のシュレディンガーの水曜日に話題提供いただく松島綾美先生も、理学部出身(ただしこちらは九州大学)ながらクスリの研究に到達した、という経歴の持ち主です(松島研究室が楽しそうなのは冒頭の写真から伝わってきますね。クスリによるものではないと思います)。皆さんご存知のように、環境中には様々な化学物質が存在していて、これが私たちに影響を及ぼすとき、まず初めに化学物質と受容体の結合がおこります。「受容体」がキーワードです。核内受容体はヒトでは48種類存在していることが知られていて、松島研究室はその中から、ビスフェノールAが非常に強く結合するエストロゲン関連受容体γ型を発見、さらに、ユニークなエストロゲン受容体応答特性を示すハロゲン含有の新世代ビスフェノール(ビスフェノールAF)を見い出しました。しかし、この研究の凄さを私自身がよく分かっていないので、これは当日じっくり質問してみたいと思います。核内受容体は、細胞核内で遺伝情報をDNAからRNAに写し取る「転写」を精密に制御する転写因子で、女性ホルモン・エストロゲンの受容体も核内受容体です。しかし、エストロゲン受容体α型とβ型の二種類が、全く別の遺伝子として存在しているのがなぜかがまだ分かっていないそうで、この辺りが今、松島研究室が研究を深めている部分です。加えて、脳内の鎮痛ペプチド、痛覚神経刺激ペプチド、血液凝固系のトロンビン受容体内蔵リガンドペプチドなどのペプチドホルモンについて研究していらっしゃるそうです。このあたりの研究について「アタマが良くなるクスリを作ろうとしている面白い研究者がいるらしい」と(NIMSの)中山先生から紹介されたのです。ご本人に事前に確認したところ「まあ、そうだともいえるし、それよりは幸福感を感じる機能、といえるかもしれないし、、、」というちょっと煮え切らない雰囲気だったので、この辺りについても、当日は徹底的に伺いたいと思っています。(竹田) 募集要項 8月31日(水曜日)19:30開始アタマがよくなるクスリを作ることは可能かGenerating Drugs that Improve the Mind松島綾美(まつしま・あやみ)九州大学 大学院理学研究院 化学部門 准教授1999年九州大学理学部化学科卒、理学研究科分子科学専攻修士課程入学 、2004年同大理学府分子科学専攻博士(理学)、日本学術振興会特別研究員(DC1) 、日本学術振興会特別研究員、九州大学理学研究院化学部門・助手(2007年より助教) を経て、2012年4月から現職。・日程:2022年8月31日(水曜)19:30から45分間が講義、その後参加自由の雑談になります。・Zoomを利用したオンラインイベントです。申し込みいただいた方にURLをお送りします。・お申し込み:先着100名を無料でご招待します(90名を超えそうになると締め切る可能性があります) ※チケットのお申込み期限は当日8月31日の18:00までとさせていただきます。・参加費:無料シュレディンガーの水曜日は毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテーターが運営しています。レギュラーコメンテーターメインキャスター、MC原正彦:東京工業大学・物質理工学院応用科学系 教授1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。レギュラーコメンテータ今泉洋:武蔵野美術大学・名誉教授武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。レギュラーコメンテータ増井俊之:慶應義塾大学環境情報学部教授東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。司会進行およびMC竹田茂:スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997~2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来〜自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。