学びながら読む "おそい" 読書 書籍 : 『情報の哲学のために』( ルチアーノ・フロリディ著) 講師 : 榎本 啄杜 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-09-11T17:40:35+09:00 Peatix The Five Books 学びながら読む "おそい" 読書 書籍 : 『情報の哲学のために』( ルチアーノ・フロリディ著) 講師 : 榎本 啄杜 tag:peatix.com,2022:event-3297878 2022-08-07T10:30:00JST 2022-08-07T10:30:00JST 1) The Five BookについてThe Five Booksでは、古典を中心に、研究者や専門家のオンライン講義を受けながら最大40人の読者と共に1冊を3~4週間かけてじっくりと読み進めています。2) The Five Booksの特徴それぞれのペースで書籍を少しづつ読み進め、週に一度の講義に参加します。講義に出られない週は、録画動画を閲覧することもできます。また、開講期間中は、Slackの期間限定の読者グループへ参加します。他の読者と疑問点を共有したり、講義中に提示される「講師からの問い」について読者同士で考えを共有・議論します。3) 講義内容「現代社会のキーワードをいくつか挙げて」と言われると、大半の人が「情報」を含めて答えるのではないでしょうか。月並みな表現ですが、私たちは情報時代を生きています。ネット記事や新聞で「情報」を読み漁り、空に浮かぶ黒い雲から天候の「情報」を収集し、陰謀論めいた魅惑的な「情報」に惑わされ、スマホで通信できる「情報」の量を日々気にしています。しかし、一旦冷静になって「ところで情報って実際のところ何なの?」と考え始めると、私も含め多くの人が言葉に詰まってしまうのではないでしょうか。言われてみると、上に挙げた数々の情報の例は、すべて同じ意味で使われているような気もするし、若干違うニュアンスを帯びているような気も……。驚くべきことに、現代社会を支えている「情報」という概念は、意外とよくわからないフワフワとしたものです。哲学者の仕事の一つは、こうした曖昧な概念に関する厄介な問題を整理することです(もちろん、専売特許ではありませんが)。哲学者ルチアーノ・フロリディは、ここ20数年の間に「情報の哲学」という新しい分野を確立し、情報概念のあれこれについての書籍・論文を数多く世に送り出してきました。そんなフロリディの考えを最も手軽に知ることができるのが、今回の講義で扱う『情報の哲学のために』です。原書のInformation(2010)は、オックスフォード大学出版のVery Short Introductionsシリーズから出版されています。これを聞くと「なんだ、あの短くて易しめの入門書か」と思う人もいるかもしれません。しかし、侮るなかれ。本書はフロリディ哲学のエッセンスをこれでもかと詰め込んでいるがゆえに、理解するためにはさまざまな前提知識が必要で、独学者が本書だけを読んで理解し尽くすことは困難です。今回の講義では、じっくりと、それでいて効率良くフロリディ哲学のエッセンスを味わうため、特に重要だと思われる一部の章だけを扱うことにします(詳細は「各講義の内容」参照)。ぜひ私と一緒に、「情報の哲学」と「フロリディ哲学」に入門しましょう!みなさまのご参加を心よりお待ちしております。各講義の内容第1回 (2022年8月7日 10:30-12:00)の内容:第1回はイントロダクションとして、情報の哲学という分野を概観します。「情報の哲学といえばフロリディ」といったイメージがあるかもしれませんが、この分野を鳥瞰してみると(意外と?)広大であることがわかり、フロリディの主張がより一層立体的に見えるようになるのではないかと思います。第一回では本書に深く立ち入ることはしませんが、「はじめに」(pp.1-3)だけは事前に目を通しておくと理解がスムーズになります。第2回 (2022年8月14日 10:30-12:00)の内容:第2回は「第2章 情報のことば」(pp.29-53)を扱います。この章は「情報概念の見取り図」をはじめ、「データ」「デドメナ」「意味論的内容」など、本書を理解するうえで欠かすことのできない重要用語が頻出します。同時に、背景知識がないと間違いなく理解できない難解な箇所も他の章より多く、上滑りの理解に陥ったまま続く章へと進んでしまう危険性を孕んだ章でもあります。注意深く読んでいきましょう。第3回 (2022年8月21日 10:30-12:00)の内容:第3回は「第3章 数学的な情報」(pp.55-71)を扱います。フロリディは数式をほとんど使わずに情報理論の説明を試みていますが、易しく書こうとするあまり、かえってわかりづらくなっている側面もあります。難しくならない程度に、必要に応じて数式や図を交えながら解説していきます。第4回 (2022年8月28日 10:30-12:00)の内容:第4回は「第4章 意味論的な情報」(pp.73-89)を扱います。この章は情報の哲学の花形とも言える内容で、「情報の真理性テーゼ」と「意味論的情報の情報量理論」という2つの重要な話題が取り上げられています。第2章と第3章で学んだことが前提となってテンポよく議論が進むので、これまでの講義を復習しつつ、腰を据えて取り組んでいきましょう。第5回 (2022年9月4日 10:30-12:00)の内容:第5回は「第8章 情報の倫理学」(pp.151-173)を扱います。フロリディで最も有名なのは、この章で扱われている情報倫理(e-環境倫理)についての思想ではないかと思います。一見すると第4章までの話題と独立しているようにも思えますが、実はこれまでの章で学んだことを基礎として情報倫理の思想が展開されています。「第1章 情報革命」(pp.5-27)にも少し言及しますので、余裕がある人は目を通しておくと理解がスムーズになります(もちろん、第8章しか読んでいなくても理解できるように構成しますので、ご安心ください)。 4) 講師からのメッセージはじめまして。京都大学の榎本啄杜と申します。大学入学後に「情報」の奥深さに魅せられてしまい、現在は大学院生として「情報の哲学」を研究しています(日本ではかなりの希少種のようです)。大学院生として、と書きましたが、実は私の本業は研究者ではありません。平日の日中はいわゆるサラリーマンをしており、なんとかスキマ時間を見つけてはコソコソと研究に勤しむ生活をしています。俗に言う社会人ドクターというやつです。参加者の方々の中には、時間が取りづらい中で、孤独と闘いながら黙々と本を読み進めていく大変さで心が折れそうになっている方もおられるかもしれません。その気持ち、本当に(本当に!)よくわかります。参加者の方々と一緒に同じ本を読み進めていくという第一義的な目標も果たしつつ、仕事で思うように時間が取れなかったり孤独で不安を感じていたりして悩んでいる方々に、同じ目線に立って寄り添える時間にできればと考えています。みなさまのご参加、心よりお待ちしております!5) 備考・お知らせ書籍は、参加者各自でご用意ください。講義にはWeb会議サービスのZoomを使用いたします。各講義は、録画のうえ参加者へ講義後に共有いたしますので、一部講義にご参加が難しい場合もご参加をいただけます。講義では、受講者の方に質問や受講者同士の対話を強要することはありません。講義中のご質問は、Zoomのチャットまたは音声で行うことができます。受講期間の対話ツールには、Slackを使用いたします。Zoom, Slack共に、本名またはニックネームでご参加いただけます。参加登録、お支払いは、peatixページにて行っていただきますようお願い申し上げます。参加申込期限は、08月06日の20:00となります。また、申込定員(40名)に達し次第受付を締め切らせて頂きます。本講義の最小決行人数は、10名とさせていただきます。08月05日の20:00の時点で最小決行人数に達していなかった場合は、本講義をキャンセルさせていただき、参加登録をされた皆様へご返金させていただきます。参加ご登録後のキャンセルについては、開講1週間前(07月31日)まで受付けます。peatixページよりキャンセル申請を行っていただきますようお願いいたします。その他のお問い合わせについては、トップページのお問い合わせ欄よりご連絡いただきますようお願い致します。・The Five Booksが実施する講義の特定商取引法に基づく表示はこちらよりご確認いただけます。