ユング「心理学と宗教」を読む(第10回) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-07-15T17:27:52+09:00 Peatix nohaku ユング「心理学と宗教」を読む(第10回) tag:peatix.com,2022:event-3288914 2022-07-07T20:00:00JST 2022-07-07T20:00:00JST ユング「心理学と宗教」を読む(第10回)< zoom配信 > 「ユング『心理学と宗教』を読む」シリーズの第10回です。 「心理学と宗教」は、ユングが1937年にアメリカ・イェール大学での「テリー講義」として行なった全3回の英語講演の記録です。ユングの宗教観が伺えるだけでなく、ユングの後期研究についての概観としても読むことができるテキストです。 前回6月2日のユングスタディでは、パラグラフ108〜124(邦訳書p.65-73)を読み進めました。ユングの全三回の講演のうち、最後の第三講演に入ります。ここは、パウリの見た有名な「宇宙時計の夢」の分析に入る箇所となります。ユングはこの夢を分析するために、中世の修道院長で詩人であったギュイヨームの幻視など、歴史上の様々なイメージとの比較を行い、その意味を読み解いていきます。 ユングによれば、この宇宙時計のマンダラは、三重のリズムによって神性を、四色に分割された円によって魂を表現しています。これが意味するのは、魂が神と一つになること、すなわち、身体性を伴う生命原理である魂が、精神的存在である神と統合することです。この夢は、心の荒廃を招いている精神と肉体の分裂を統合して、意味ある全体を作ろうという試みであり、マンダラには四つのものを統一して調和的に機能させる働きがあるのです。 またユングは、垂直の青い円が青色であり、天上にあがったマリアの着ている衣装の色であることにも注目します。マリアが死後に、霊魂・肉体ともに天国に上げられたという「聖母の被昇天」の教えは、聖書の中には直接記されてはいませんが、何世紀にもわたって聖伝として重視されてきました。これは女性的・肉体的なるものが、精神的な場所である天の中に引き上げられて一つになることを意味します。キリストである王が同時に三位一体であり、四の数は彼の妃としてのマリアなのです。 ※ 前回までのこのシリーズの内容のダイジェストは、こちらに掲載されています。  https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2021-2022年-通期-ユング-心理学と宗教-を読む/ 次回のユングスタディでは、全集パラグラフ127-139(邦訳書p.73-81)を読み進めます。ユングは引き続きパウリの「宇宙時計の夢」をもとにして、そこに現れている現代人の心の問題について述べていきます。アニマや影の問題が提起され、これに対応するものとしてのマンダラの意味、そしてついには現代人における「神の不在」について述べられていきます。 この「心理学と宗教」講演も終盤に近づいたところですが、ここに来てようやく、「神の不在」を抱えた現代人の宗教性はどこへ行くのかという、最も重要かつ現代的なテーマに入っていくことになります。 今回もzoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。 ※ 引き続き、案内役をお願いしております岩田明子さんが、都合のためお休みとなります。         案内役:白田信重(ユング心理学研究会)       司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)    ---------------------------------      第10回:7月7日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)    ■ テキスト: C.G.ユング「心理学と宗教」      村本詔司訳『心理学と宗教』人文書院、1989.4 所収               ・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。   ・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。   ・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。    ■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)  ■ 会費:1,000円   ・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。   ・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。    (諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください)  ■ 参加申し込みページ https://jungstudy20220707.peatix.com   ■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/  ■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp