ユング「心理学と宗教」を読む(第8回) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-05-20T15:51:36+09:00 Peatix nohaku ユング「心理学と宗教」を読む(第8回) tag:peatix.com,2022:event-3241974 2022-05-12T20:00:00JST 2022-05-12T20:00:00JST ユング「心理学と宗教」を読む(第8回)< zoom配信 > 「ユング『心理学と宗教』を読む」シリーズの第8回です。 「心理学と宗教」は、ユングが1937年にアメリカ・イェール大学での「テリー講義」として行なった全3回の英語講演の記録です。ユングの宗教観が伺えるだけでなく、ユングの後期研究についての概観としても読むことができるテキストです。 4月7日のスタディでは、全集パラグラフ82-91(邦訳書p.50-56)を読み進めました。ユングはこれまで、カトリックが保持してきた教義が持つ防御的な心理機能について述べてきましたが、ここでは防御としての教義を失ってしまったプロテスタント者の心理的特性と、その帰結としての現代の問題について語られていきます。 ユングによれば、プロテスタンティズムが教義や儀式を取り壊したことによって、方向付けられていた無意識のエネルギーが解放され、好奇心と欲深さへと流れ込み、結果として科学技術の急速な発展や国家全体主義などを生み出すことになりました。これは、プロテスタンティズムが歴史的にもたらした危険な側面です。 この一方でプロテスタント教徒は、約束された神からの救いを失ったことで、強い心理的緊張の中に置かれ、良心をとぎすまして自己批判を行うようになります。そのため、直接的な宗教経験を得るユニークな精神的チャンスを与えられることになり、新しい人間のあり方を実現できる可能性を持つことになったとユングは捉えます。これはプロテスタンティズムに潜在するプラスの側面です。 ここでユングの言うプロテスタント的なものとは、つまるところ、より一般的にわれわれ現代人のあり方そのものを指していると捉えてもいいでしょう。カトリック的なものからプロテスタント的なものへの変容こそが、現代の人間の精神性を特徴づけるものなのです。 続けてユングは、個人の直接体験や、さまざまな民族の神話や民話において、一定の元型的モチーフが繰り返し現われることに触れ、これは遺伝によっても伝えられる人間の心の元型的パターンに由来するとします。この講演録において、ここに来て初めて「元型」という用語が出てくることになります。パウリの夢に現れている四元性の象徴は元型的なものであり、ヌーメン的な性格と「聖なるもの」の意味を持つことが指摘されます。 ※ 前回までのこのシリーズの内容については、こちらで報告をしています。  https://jung2012.jimdofree.com/スタディ/2021-2022年-通期-ユング-心理学と宗教-を読む/ 次回のユングスタディでは、全集パラグラフ92-107(邦訳書p.56-65)を読み進めます。 前回最後の話題の流れを受けて、四元性、ならびにこれを含む円や球が、歴史的に見ても「神」を意味する表象であることを、ユングは様々な資料を通して示していきます。その上で、近代人がこうした象徴を経験していくことの意味や、キリスト教の中心的なシンボリズムである「三位一体」が示している心性についての説明がなされます。これらのテーマは、ユングが後半期をかけて追求した問題の中核部分となります。まさに、「ユングの後期研究についての概観としても読むことができる」ところでしょう。 今回もzoomオンラインのみでの開催となります。開始時間は、会場開催の場合よりも一時間遅い20時からとなりますので、ご注意ください。 ※ 今回は、案内役をお願いしております岩田明子さんが、都合のためお休みとなります。岩田さんによる対訳解説がないのはたいへん残念ですが、次回以降に改めてご期待ください。         案内役:白田信重(ユング心理学研究会)       司会進行:海野裕美子(同) 資料協力:山口正男(同)    ---------------------------------      第8回:5月12日(木)20:00 〜 22:00 (開場19:45)    ■ テキスト: C.G.ユング「心理学と宗教」      村本詔司訳『心理学と宗教』人文書院、1989.4 所収               ・ 適宜、英語原文、ドイツ語訳文も参照します。   ・ テキストを読んでいない方でも、資料を見ながらの進行なので参加可能です。   ・ シリーズ途中からでの参加でも全く問題ありません。お気軽にご参加ください。    ■ 会場:オンライン開催(zoomミーティングルーム形式)  ■ 会費:1,000円   ・当会では、お申し込みいただいた後での参加者都合による返金は致しません。   ・参加申込者には会の終了後、録画アーカイブを期間限定で配信する予定です。    (諸事情により配信できない場合もありますので、あらかじめご了承ください)  ■ 参加申し込みページ https://20220512.peatix.com   ■ 主催:ユング心理学研究会 http://jung2012.jimdo.com/  ■ 問い合わせ:研究会事務局 jungtokyo_info@yahoo.co.jp Updates tag:peatix.com,2022-05-10 05:56:18 2022-05-10 05:56:18 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#1211407