「教育と愛国」――この空間を窒息させるものは 斉加尚代 / 志田陽子(聞き手) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-06-02T17:28:06+09:00 Peatix kazu 「教育と愛国」――この空間を窒息させるものは 斉加尚代 / 志田陽子(聞き手) tag:peatix.com,2022:event-3233146 2022-05-25T20:00:00JST 2022-05-25T20:00:00JST 今回は、ドキュメンタリー監督・斉加尚代氏をゲストに迎え、今、注目を集めている映画『教育と愛国』(5月13日・14日から全国劇場公開)、そしてその基となったテレビ版の取材成果をまとめた図書『教育と愛国――誰が教室を窒息させるのか』(岩波書店)を取り上げます。近年、日本では、ヘイトスピーチ問題、芸術への妨害問題など、《負の歴史への向き合い方》が問われる問題が繰り返し起きてきました。同根と思われる問題が、教育現場にも…。この問題を描き出したドキュメンタリー映画『教育と愛国』は、教育にここまで政治が入り込んでいるという実態を、はっきりと描き出しています。聞き手の志田は、斉加さんからの依頼で、この映画のパンフレットに掲載する解説原稿を書かせていただきました。その原稿を書くために、公開より一足先に、映画の内容を視聴したのですが、まさかここまでとは…。冒頭の道徳の教科書の場面から思わず笑ってしまい、そしてこれはコメディではなく現実なのだと、慄然とする思いで気を引き締める、その繰り返しでした。教科書検定における《忖度当然》の空気、従軍慰安婦問題を授業で取り上げた教師への執拗な指弾と干渉、特定の教科書を採用している学校への大量の抗議、そして、歴史から学ぶ必要はないと言い切る大御所研究者、教育に政治が関わっていけないはずがないと気勢を上げる人々、・・・。日本では、憲法26条によって、国が教育に対して責任を持ちます。しかしそれは、家庭の経済的事情にかかわらず、すべての人が教育を受けられるように、学校制度の整備や実費負担などを国が請け負う、ということなのです。一部の為政者の《好み》によって教育内容が左右されることは、憲法26条が目指すところとは相いれないことなのですが、…。この作品が問いかけてくるものに、大いに心が動いてしまった志田は、4月の『α-シノドス』の「今月の一冊」でも、この作品を取り上げ、エッセイを書かせていただきました。https://synodos.jp/a-synodos/27922/シノドス・トークラウンジでは、まず「今、どうなっているのか」を、作者の斉加さんに語っていただき、さらに「この状況をどう考えたらいいか」をクロストークで語り合いたいと思います。https://www.youtube.com/watch?v=HlCTKXvRm-o【プロフィール】斉加尚代(さいか ひさよ)1987年毎日放送入社。報道記者などを経て2015年からドキュメンタリー担当ディレクター。企画・担当した主な番組に、『映像'15 なぜペンをとるのか──沖縄の新聞記者たち』(2015年9月)、『映像'17 沖縄さまよう木霊──基地反対運動の素顔』(2017年1月、平成29年民間放送連盟賞テレビ報道部門優秀賞ほか)、『映像'18バッシング──その発信源の背後に何が』(2018年12月)など。『映像'17教育と愛国──教科書でいま何が起きているのか』(2017年7月)は第55回ギャラクシー賞テレビ部門大賞を受賞。また個人として「放送ウーマン賞2018」を受賞。近著に『何が記者を殺すのか 大阪発ドキュメンタリーの現場から』(集英社新書)。