人工無脳 Eliza を全脳型にするには何が必要か | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2017-12-03T20:44:23+09:00 Peatix 小出 誠二 人工無脳 Eliza を全脳型にするには何が必要か tag:peatix.com,2017:event-321036 2017-12-02T17:30:00JST 2017-12-02T17:30:00JST Amazon Echo (Amazon)、Google Home (Google)、HomePod (Apple) に加えて、Clova WAVE (Line) が日本でも販売されるようになった。これらは一括してAIスピーカーと呼ばれるが、人との対話により、質問に答えたり、頼まれた音楽曲を流したり、家の電化製品(Phillips)を制御したりすることができる。しかしこれらのAIスピーカーはまだ初歩的なレベルにとどまっており、人々のAIに対する過剰な期待に応えるものにはなっていない。ホンダのインサイトには既に音声コマンド機能が装備されていたことをご存じだろうか。しかし今私はそれを使っていない。その理由は音声認識のレベルというよりも、自由で柔軟な音声入力ができないからである。たとえ単純なコマンドレベルであっても、どんな言い方をしても、人であれば当然理解できるレベルにまで機能が向上しないと、生活に必須でない機能は結局使われなくなるであろう。一方、スカリー時代のAppleは、Knowledge Navigator という名前で将来実現されるであろう執事役のエージェントをプロモーションビデオに描いて見せた。そこでは今では当然とされる画像付き電話やエージェントによる留守対応機能のみでなく、気を利かせたProactiveな秘書のような機能が描かれていた。それを見るとハードウェア的なところではもうほとんど実現されているが、本来のエージェント機能の実現が課題となっていることが理解できる。Eliza は人工知能の歴史の初期に実現された初めての対話システムであるが、短期記憶も長期記憶もなく、簡単なパターンマッチ機能とルールベース的な入力応答機能だけで実装されたものなので、俗に人工無脳とも呼ばれる。それにも関わらず、Elizaとの対話場面に現れた人々の過剰な思い込みの行動を見て、作者のワイゼンバウムは AI に批判的になったと言われている。この問題はAlexa に求婚するユーザの出現にAmazonの開発者が驚くという形で、今でも共通的に見られるところの、人工知能応用製品における一般的な社会的問題である。対話機能は大きくは自然言語処理の一分野ではあるが、単なるテキストの自然言語処理問題とは異なる性格を有している。本講座では対話機能に着目して歴史的な流れを概観し、人間の代理人あるいは機械との仲介者としてのエージェント機能について考えてみる。また、最近では汎用人工知能と特化型人工知能という言葉で人工知能研究の二つの立場が説明されるようになったが、仲介者としてのエージェントは必然的に将来全脳型AIになるように思われる。全脳型AIの研究はまさに始まったばかりであるが、これを機会に全脳型AIにつながるAIの研究の歴史についても報告し、講座参加者とのディスカッションの材料を提供したい。なお、この講座は「AI&機械学習しよう! 第3回ソース&論文輪読会」の後半のプログラムとして行われます。参加申し込みはこちらからお願いします。