思想史から親鸞を読みなおす――〈災害社会〉の中世を生きた親鸞の思想 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2022-05-20T21:06:33+09:00 Peatix 国立人文研究所 思想史から親鸞を読みなおす――〈災害社会〉の中世を生きた親鸞の思想 tag:peatix.com,2022:event-3152493 2022-04-20T19:30:00JST 2022-04-20T19:30:00JST 【講座概要】 本講座では、近代主義の視点から読まれがちだった親鸞の思想を、あらためて中世という〈歴史に埋め込まれた親鸞〉の視点から捉え返し、それを通して親鸞思想の新たな面と歴史的意義を描き出していきたいと思います。その際、近年の環境史研究を踏まえて中世を新たに〈災害社会〉と捉えたうえで、中世説話も援用しつつ、災害苦ゆえの民衆の切実な願いへの親鸞の応答を軸に、親鸞の生きざまと思想をなるべく分かりやすく紹介していきます。 親鸞は、日本仏教史において〈鎌倉新仏教の大成者〉として知られます。親鸞は、その後巨大化した親鸞系教団の開祖として神聖視されつつ、現代まで宗教的にも他力の浄土信仰として民衆に影響を与えてきました。近代以後は、教団で秘匿されてきた『歎異抄』の〈発見〉により、思想界や文学界で〈人間親鸞〉や〈悪人正機説〉が注目され、近代的自我の模索の中で、欲望解放のヒューマニズムや、超越的存在による内面的主体の思想と理解されてきました。それは戦後、哲学・信仰論では西田哲学や三木清らを起点に宗教哲学や実存哲学として深められ、他方歴史学では、反国家主義思想、封建社会からの民衆解放思想と評価されてきました。 現代でもこれらを土台に、吉本隆明や五木寛之など多くの思想家・文学者らが親鸞を論じ、親鸞の〈生まの語録〉とされる『歎異抄』は隠れたベストセラーとも言われます。 このような近代以降の親鸞論はそれぞれ、近現代の思想問題の解決として、あるいは近現代人の生の悩みへの応答として、重要な意義があります。しかし、思想史の観点からは大きな問題があると言わざるをえません。一つは、親鸞の信仰・思想が、彼の主著『教行信証』でなく、彼の没後に書かれた弟子の聞書きの『歎異抄』を中心に理解されていることです。もう一つは、中世を生きた一人の親鸞が奇妙にも、宗教学・哲学系の〈社会性なき内面的信仰者〉親鸞と歴史学・社会思想系の〈信仰なき社会思想家〉親鸞とに断裂してしまっていることです。これらの問題は、近代思想を普遍的とみなす立場から、特に内面主義の近代的宗教観とマルクス主義の宗教アヘン論を中世に投影した近代主義に由来するといえます。 この講義では、このような近代主義の色眼鏡をはずした思想史の立場から、親鸞を中世という時代に〈埋め込まれた〉信仰者・思想家として読み解くことで、〈災害社会〉に向き合った親鸞の思想の歴史的意義を明らかにしていきたいと思います。オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を用いて行います。==========タイトル:思想史から親鸞を読みなおす――〈災害社会〉の中世を生きた親鸞の思想(全4回) 初回日時: 2022年4月20日 (水) 19:30 - 21:00日程:4月‐7月の第3水曜日(4/20、5/18、6/15、7/20) 場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座Youtubeにて見逃し配信あり(受講生限定、4月期講座期間内のみ、参加者との質疑応答の時間は除く) 参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円※学生でお申し込みの方は、(1)当日までに、学生証の画像・写真をinfo@kuniken.orgまでメール添付にてお送りいただくか、(2)お申込み時のアンケートフォームの「学生確認用メールアドレス記入欄」に、大学などの在籍先が発行したメールアドレスをご記入ください。 各回の予定第一回:近代における親鸞の二重の〈発見〉と近代の親鸞論、思想史の視点第二回:〈災害社会〉の中の中世仏教と法然浄土教の歴史的位置第三回:夢から解読する〈災害社会〉の中の親鸞の信仰の深化第四回:〈災害社会〉中世ゆえの親鸞浄土教の思想史的意義 参考図書1)亀山純生『〈災害社会〉・東国農民と親鸞浄土教―――夢から解読する〈歴史に埋め込まれた親鸞〉と思想史的意義』農林統計出版、20122)亀山純生『中世民衆思想と法然浄土教―――〈歴史に埋め込まれた親鸞〉への視座』大月書店、20033)亀山純生『現代日本の「宗教」を問い直す』青木書店、20034)末木文美士『親鸞』ミネルヴァ書房、20165)赤松俊秀『親鸞』吉川弘文館、1961 講師亀山純生(かめやま すみお)1948年生。京都大学大学院文学研究科博士課程(哲学専攻)修了社会学博士(一橋大学)現在:東京農工大学名誉教授・武蔵野大学仏教文化研究所客員研究員   専門分野:倫理学・環境思想・日本思想史   主な著書(参考文献記載以外)『人間と価値』(単著)青木書店1989、『うその倫理学』(単著)大月書店1997、『環境倫理と風土』(単著)大月書店2006、『〈農〉と共生の思想』(共編著)農林統計出版2011、『風土的環境倫理と現代社会』(監修・著)農林統計出版2020など。 オンライン会議室ご招待状: チケットご購入の方に、Peatixの自動送信メールにてご案内いたします。※チケット購入の際にアンケートへのご記入をお願いいたします。※ご不明な点がございましたら、Peatixのメッセージ機能を用いるか info@kuniken.org までお問い合わせください。 Peatixチケット購入締切: 当日18時30分まで販売しております。 Peatixチケットキャンセル: チケット購入後はお支払い方法により返金手数料が発生します。クレジットカード決済の場合、返金手数料はかかりません。キャンセル期限はチケット購入締切と同じ当日18時30分です。 ==========KUNILABOではほかにもいろんなオンライン講座を企画中です。詳細が決まり次第ご案内いたします。ご期待ください。