『ささくれ』上映 in 融解座 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2019-11-01T23:50:14+09:00 Peatix 小林 秀章 『ささくれ』上映 in 融解座 tag:peatix.com,2017:event-286240 2017-08-06T17:00:00JST 2017-08-06T17:00:00JST 【イントロ】来たる 8月6日(日)、私、小林 秀章の知り合いである鯉沼 愛実さんが制作した映像作品『ささくれ』(58 分) を上映します。心の傷の由来を家族や旧友の語りから浮彫りにしようとする自己探求の記録で、見る者に対しても、封印された心の開かずの間をこじ開けにくる、妙にえぐってくる作品です。よろしければ、どうぞ見にいらしてくださいませ。【上映の概要】  『ささくれ』上映 in 融解座  日時: 2017年8月6日(日) 4:30pm 開場、5:00pm 開演  場所: 江古田にある喫茶店「Cafe FLYING TEAPOT」     http://flyingteapot1997.wixsite.com/ekoda-flying-teapot  入場料: 無料。お店でワンオーダーお願いします。  内容: 持ち寄った短編映像作品を毎月何本かずつ上映する     イベント「融解座」の8月開催回において、     鯉沼 愛実監督作品『ささくれ』を上映します。     セルフ・ドキュメンタリー (58 分)。【映像作品『ささくれ』について】小学校低学年時代、原稿用紙の中でしかしゃべらなかった鯉沼 愛実は、大人になってから「場面緘黙 (かんもく) 症」という症状名を偶然知り、それだったのかもしれないと振り返る。実時間進行する有機的関係性からの解離感覚は、内面についた傷に由来しているのか。それはいったいいつの傷?家族や旧友から私はどう見えていたのか。それを聞く私は私からどう見えるのか。たかがささくれと油断してたら...。自己探求の旅は続く。【『融解座』について】http://www.geocities.jp/flyingteapot1997/yukai.html1998年以来、毎月第 1 日曜日の 5:00pm から、江古田の喫茶店「Cafe FLYING TEAPOT」で開催されている、自主短編映画・映像上映会。主宰するのは「誘拐映画社」ウズマキマキオ氏。『融解座』の趣旨は短編 (!) 作品の上映であり、原則として、20 分以内の作品に限定しているのですが、今回、特例中の特例として、鯉沼さんの 58 分の作品を上映させていただけるのは、ひとえにウズマキ氏のご厚意によるところであり、深く感謝いたします。【融解座での上映に至る道】◆ パート 1: 面白い人に会いたい2015年のある日、鯉沼 愛実さんは、思い立った。おもしろい人に自分よりおもしろいと思う友だちを紹介してもらったら、13 人目には誰に会えるのか、検証してみよう。ターゲット第 1 号は、たわしおじさん。たわしに犬の散歩用のリードをつけ、ペットとして散歩している紳士。たわしおじさんと会うために、鯉沼さんは所沢のごみ拾いの会に参加し、インタビューを申し入れる。たわしおじさん、快諾。インタビューは、2015年6月25日(木)、池袋にあるヨルダン料理のお店「月の砂漠」で行われた。こんな記事になった。https://note.mu/koinuma_megumi/n/n082dd1f1270eターゲット第 2 号は、セーラー服おじさん。文字通り、セーラー服を着て出歩くおじさん。インタビューは 2015年7月19日(日) に池袋で行われた。猛烈に暑い日だった。鯉沼さんみずからもセーラー服に着替え、一緒にプリクラで撮影した。せっかくそこまでがんばってくれたのに惜しい感じはするけれど、記事は世に出ていない。◆ パート 2: メルマガにレギュラーで寄稿私は、鯉沼さんの文章を読んで、独特のおもしろさを感じた。自分が寄稿しているメルマガに、書いてみないかと薦めてみた。「日刊デジタルクリエイターズ」。http://dgcr.com/編集長である柴田 忠男氏のもと、60 人ほどのライターが寄ってたかって寄稿し、毎日発刊されている。1998年以来、4,000 号を超える。私は 2004年4月以来、隔週金曜に枠をもらって、GrowHair のペンネームで書いている。鯉沼さんも書いてくれることになった。第 1 回は、2015年10月27日(火) 配信分に。ペンネームは本名をひらがな表記して「こいぬまめぐみ」。初回のタイトルは、『先生、めぐみちゃんが原稿用紙の中でしかしゃべりません』。目立ちたくない一心でおとなしくしていたのに逆効果で、言葉を発することを今か今かと心待ちにされる注目の的になってしまった小学校低学年時代のことがつづられている。http://bn.dgcr.com/archives/20151027140100.html鯉沼さんは、翌年 2 月まで、だいたい隔週の頻度で、8 回書いてくれた。http://bn.dgcr.com/archives/%E3%81%93%E3%81%84%E3%81%AC%E3%81%BE%E3%82%81%E3%81%90%E3%81%BF/2016年2月26日(金)、『ささくれ』と題する文章を残し、デジクリを去っていった。http://bn.dgcr.com/archives/20160226140100.html当時、武蔵大学の 3 年生。これから卒業論文を書いたり、就職活動したりで、忙しくなるのであろう、ぐらいに思っていた。◆ パート 3: 卒業制作発表会で上映鯉沼さんの卒業制作映像が上映されるという知らせが、たわしおじさんから届いた。当日に。2016年12月16日(金) のこと。鯉沼さんのは一番最後、8:20pm からだったので、私は仕事帰りに見に行くことができた。江古田駅で西武池袋線を降り、武蔵大学まで 6 分ほど歩いた。鯉沼さんの映像作品は、タイトルが『ささくれ』だった。デジクリに最後に書いた文章のタイトル、そのもの。あれの続きを映像でご覧ください、みたいな位置づけか。家庭内のごたごたがそのままダダ漏れなドキュメンタリー。妙にえぐってくる力があった。文章からは、変わった子だな、という感じが漂ってはくるが、その「ふつう」からの離れっぷりをちょいと突き放して省察しているところがまさにおもしろさに直結しており、私は肯定的にしか見ていなかった。しかし、映像をみると、そうとう苦しんで生きてきたことが見てとれる。蓮は、汚い泥から出てきて、清らかな花を咲かせる、みたいなことだったか。私の文章が大しておもしろくないのは、苦しみかたが足りないからだろうか、と、妙な反省をした。ゲストには、纐纈 (はなぶさ) あやさんが招かれていた。映画監督で、『ある精肉店のはなし』などの作品がある。纐纈さんは、いいとか悪いとかいうような論評はしなかった。「これを作ってくれて、ありがとうございました」とコメントした。ゲーテは青年期を称して「疾風怒濤の時代」と言った。すでに、おじさん、おばさんになっている人たちも、多かれ少なかれ、かつては通ってきたはずの道である。けど、多くの場合、そんなことはまるでなかったかのごとく、封印している。「若さがゆえの過ち」みたいなテキトーなラベルを貼って、開かない箱の中に封じ込めている。今現在は、落ち着いて、すべてが解決したかのごとく、すました顔をしている。けど、解決なんか、実は、してないんだよね。封じ込めてただけで。その箱に隙間ができて、中身がちょこっと出てきちゃう感じ。それが、この作品の「えぐってくる」感じの正体なのではあるまいか。少なくとも、自分にとっては、そんな感じがした。そういう意味でも、嵐の渦中にある今しか撮れない作品なのだ。◆ パート 4: 「月の砂漠」で上映その場で鯉沼さんの『ささくれ』を見ていた人たちの一人に平本 仁一氏がいた。たわしおじさんのごみ拾い仲間。デジクリに書かれた鯉沼さんの文章を愛読しており、映像もきっとおもしろかろうと見に行っていた。深く心を揺さぶられた平本氏は twitter に次のように書き込んでいる。jin @JinHiramoto拝見してきました。胸がいっぱいです。どんな言葉で称賛したら今の気持ちを伝えることができるのかわからないです。21:57 - 2016年12月16日この場だけで終わらせてはもったいない。もっと開かれた場で上映する機会を設け、より多くの人に見てもらえたら。紆余曲折あって、すんなりとはいかなかったが、不屈の精神をもって、半年がかりで実現させた。2017年6月25日(日)、「月の砂漠」で。たわしおじさんへのインタビューからちょうど 2 年後に、インタビューと同じ場所で。30 人ほどが集まり、お店が満杯になった。ささくれは、みんなの心の中に、それぞれの形でしみ込んでいったことだろう。平本氏は、協力者たちに感謝の意を表明するとともに、この上映会は第 1 章にすぎず、次章ささくれプロジェクトがスタートすることへの期待を述べた。◆ パート 5: 今度の江古田の上映会ううむ。私も卒業制作発表の場にいて、鯉沼さんの作品に心揺さぶられた一人でありながら、行動に移したか、移さなかったか、この違いはなんだろう?ちと、恥ずかしいぞ。遅ればせながら、しかも、微力ながら、平本氏の志を継がせていただくことにしよう。6月4日(日)、鯉沼さんとたわしおじさんと一緒に江古田の会場に行き、『ささくれ』の最初の 10 分間を上映してもらった。それから水面下で、主宰のウズマキマキオ氏を拝み倒して、特例として、長編作品の上映を許していただいた。会場の最寄り駅は、武蔵大学の最寄り駅でもあり、このエリアは、鯉沼さんが、学生時代に慣れ親しんでいる。「月の砂漠」のときの来場者は、『ささくれ』を見ることが目的であった。しかし、今度のは、毎月開催している、映像愛好家の集まりであるから、常連の方々は、思いがけず、この作品の発する波動を浴びることになる。その違いが、また新たな広がりを呼ぶのではないかと少し期待している。もちろん、この作品を目的に来られる方も、一度見たけどまた見たいという方も、大歓迎です。 Updates tag:peatix.com,2017-07-25 13:48:25 2017-07-25 13:48:25 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#264705