シンギュラリティサロン@ 東京「第20回公開講演会」 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2019-11-02T01:24:31+09:00 Peatix あたろう シンギュラリティサロン@ 東京「第20回公開講演会」 tag:peatix.com,2017:event-272198 2017-06-24T13:30:00JST 2017-06-24T13:30:00JST 講演13:30-15:00「京・ポスト京コンピュータによる脳の大規模シミュレーション:ペタスケールからエクサスケールへ」15:00-15:30 自由討論講師 五十嵐 潤(理化学研究所 情報基盤センター 上級センター研究員)講演概要人間の脳は、約860億個の神経細胞が約1000兆個のシナプス結合を介して信号のやり取りを行い、一つのシステムとして情報処理を行っている。この膨大な数の神経細胞の相互作用を全て一度に観測して調べることは現在の技術では難しく、脳の情報処理機構の解明を困難にする一つの原因となっている。スーパーコンピュータを用いた脳の詳細な神経回路モデルのシミュレーションでは、膨大な数の神経細胞からなる神経回路の振る舞いを調べられるようになりつつある。我々、ユーリッヒ研究所、理化学研究所、沖縄科学技術大学院大学の共同チームは、約11ペタフロップス(1秒間に1.1×10の16乗回の浮動小数点数演算)の理論性能を持つ京コンピュータを用いて、神経回路モデルの計算可能な規模について調べ、約17億個の神経細胞と約10兆個のシナプス結合からなる大脳皮質局所神経回路モデルのシミュレーションを達成している。また、より詳細な脳のモデルによる脳の振る舞いに関するシミュレーションとして、我々は大脳皮質、大脳基底核、視床からなる神経回路モデルによるパーキンソン病という脳疾患の病態に関するシミュレーションを京コンピュータで行い、パーキンソン病でみられる震えの発生機構についての研究を行っている。これらの京コンピュータで行われた脳のシミュレーションは、げっ歯類から小型の霊長類の脳の規模の神経細胞数に相当し、これまでにない規模の神経回路モデルのシミュレーションであった。しかし、脳研究の究極のターゲットである人間の脳の詳細な神経回路モデルを扱うには、京コンピュータを含む現在の”ペタスケール”の計算性能のスーパーコンピュータをもってしても難しく、実現していない。そこで、我々は2022年頃に登場するエクサフロップス(1秒間に10の18乗回の浮動小数点数演算)級の計算機、ポスト京(仮称)を用いたヒト全脳規模のシミュレーションに向けて、取り組みを行っている。本講演では、前半に、これまで京コンピュータで行われてきた脳シミュレーションについての取り組みについて紹介し、後半に、ポスト京によるヒト全脳規模の脳シミュレーションの展望についてお話しする。定員 120名(先着順・入場料無料)主催シンギュラリティサロン共催株式会社ブロードバンドタワー、リコーITソリューションズ株式会社