ベアトリーチェ・チェンチの肖像(4/22 14:00公演) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2019-11-02T04:14:06+09:00 Peatix THEATER LOV ベアトリーチェ・チェンチの肖像(4/22 14:00公演) tag:peatix.com,2017:event-244826 2017-04-22T14:00:00JST 2017-04-22T14:00:00JST この世は光で満ち溢れている。闇なくして光は輝かない。闇がないとき、光の底から闇が噴き出してくる。【公演概要】THEATER LOV 第2回公演 「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」2017年4月21日(金)〜23日(日)スタディオ・アマデウス(東京都世田谷区弦巻4-7-7) ※アクセス:東急田園都市線・桜新町駅西口より徒歩8分【公演情報】作 / 田尾下 哲演出 / 田尾下 哲、田丸一宏ドラマトゥルク・修辞 / 長屋晃一 【出演者情報】ベアトリーチェ(娘) / ドルオニク綾乃フランチェスコ(父) / 田中智也ルクレツィア(後妻) /中井奈々子(21日14時・23日19時)安田佑子(21日19時)白木原しのぶ(22日14時)田代真奈美(22日19時)華みき(23日14時)ベルナルド(弟) / 長谷川慎也オリンピオ(召使い) / 小林裕レーニ(画家) / 菊沢将憲【企画意図】 ベアトリーチェ・チェンチ(Beatrice Cenci)は実在の人物である。 中世、イタリアの比類なき裕福な貴族・チェンチ家に生まれ、その美しさは人々の目を奪うばかりであった。 16歳に成長し、幼少のころから寄宿していた修道院から実家へ戻ったチェンチの美貌は、暴虐の限りを尽くした悪逆無道な実父・フランチェスコをも虜にしてしまう。フランチェスコは、世の男性から遠ざけるためにベアトリーチェを郊外の城に監禁し、妻の前で実の娘を辱めるという虐待を行い、さらに官吏たちに賄賂を贈ることで自らの罪をもみ消してしまった。 こうしたフランチェスコの残忍な行動に耐え切れなくなったベアトリーチェは、父の殺害を決意する……。 この物語はベアトリーチェの斬首刑という形で幕を閉じるのだが、彼女の人生を狂わせたのは皮肉にもその美貌と財産だった。生まれつき与えられた美貌と財産こそが、彼女に関わる人間の「心の闇」を浮き彫りにしてしまったのである。 それは、斬首刑が執り行われる広場で、ベアトリーチェを憐れむ大衆の声が渦巻くなか、「この処刑をもたらしたのはチェンチ一族を根絶やしにすることで、莫大な財産の没収を目論む法王の企みだ」という噂まで囁かれていたことからも推測できる。  現代も幼児虐待や骨肉の争いなどの事件は絶えない。私たちは、増え続けるそのような悲劇に心を痛めると同時に、愚行を繰り返す人類の歴史を顧みながら、人間の心に潜む「闇」が永遠になくらないことも感じているのではないだろうか。  もちろん、だからと言って、俯瞰的な視線を以ってそのような事件やチェンチの死を看過することは決して許されない。  しかし、闇なき世界はない。そして、光なき世界もまたないのも真実である。 この作品を通じて、誰しもが持つ「心の闇」と今一度向き合うことで、人間の本質を改めて見つめたい。ベアトリーチェはどのような想いで断頭台へ向かったのだろうか。