【アーカイブ動画配信】岸野雄一(聞き手 : 吉田アミ) 盆踊りと民主主義 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2021-12-08T13:44:49+09:00 Peatix takato 【アーカイブ動画配信】岸野雄一(聞き手 : 吉田アミ) 盆踊りと民主主義 tag:peatix.com,2021:event-2043902 2021-08-13T12:00:00JST 2021-08-13T12:00:00JST ※本アーカイブ動画は、イベント当日の配信上の問題により、後半45分は音声のみとなっております。あらかじめご了承いただいた上で、ご購入をお願いいたします。※本イベントは8月12日(木)の 17:00 〜 19:30 に開催されました※アーカイブ動画を視聴できる期間は、8月13日(金)〜11月30日(火)です。【出演】岸野雄一(聞き手 : 吉田アミ)【イベント概要】これは「SNSによって人間の性質というものが変わってきており、そのことに抗いたいという戦いです。」岸野雄一を知らない人は「盆踊りと民主主義」というテーマに首をかしげ、共通項が見いだせないだろう。彼が「お祭り・盆踊り」のアップデートを通じて、民主的な社会を実現していけるか?を模索して実践しているという前提を知ればなんとなーくわかってくる。そもそも盆踊りって何だと思いますか? 町内のあらゆる世代の老若男女が集うお祭り。浴衣を着て、流れる曲に合わせて同じ方向に向かって同じポーズ、動きで輪の中をくるくる回って踊ること。そんなイメージではありませんか。初心者も玄人もとりあえず、その輪に入れば踊ることができます。動きを真似ればいいのですから。ステージに立ち、観られているわけでもない、参加者のわたしたちはいつでもその輪を抜けることができ、また、気が向けばその輪に戻ることができます。それを岸野は「原初的な喜び」と捉え、その愉悦を「支配する側の手に渡すな、自分たちの手に取り戻そう」と主張します。この「盆踊り」というシステムがなぜ、民主主義を考えるきっかけになるのでしょうか? 気になりませんか? さてここで、SNSの功罪についても語っていかなくてはなりません。6月16日発売されたばかりの新しい問いを考える哲学カルチャーマガジン「ニューQ・Issue 03名付けようのない戦い号」に岸野雄一が発表した「民主主義のエクササイズ」。発売前の雑誌の原稿全文をインターネット(note)に全文無料公開で発表し、発売後には有料化してしまうという実験がSNS上でも大きな話題となった。そもそもこの原稿は岸野がTwitterに投稿してきたつぶやきをまとめたもの。わたしたちはその多くのフォロワーたちがその断片をどういうかたちで見たのかわからない。後で読もう。賛同したふりをしよう。わかった気になろう……。震えるように面白い!なるほど!などと、知見を得たのかさえもわからない。しかし、その鋭い言葉たちはいいね!やRTの軽さの中で消費されるような問題提起ではありませんでした。雑誌の副題にもなった「名付けようのない戦い」とは、SNS上に蔓延る気分と行動原理「責めても構わない対象への容赦ない呵責が加速する中、それに同調するか否かの表明による承認が可視化され、その結果、住み分けという名の分断と断絶、及びその対立が加速する世界において、いずれに与することなく、この世界を現実的に一ミリでも良い方向へ動かす」ことだと岸野は定義づけます。SNSだけのせいではありませんが、この世界の息苦しさを構成する「何か」が「ある」のは確かなわけで、そのことにみなさんは気がついている。でも、何も変化する兆しはありません。岸野には「変わらない」ことへの静かな怒りがあるのではないか。いや、待ってください。あなたは今、「自分の生活だけで目一杯なのに、他人や社会の事を心配なんてできない」、そう感じていませんか。国や行政に相談することも大切ですが心の支えにはなりません。実際に困ったときに支えてくれるのは家族や仲間たちです。でも、SNSやオンラインゲームで作り上げた薄い関係の人があなたを救ってくれるでしょうか? 「#○○好きさんと繋がりたい」とインスタやTwitterで出会った人が仲間でしょうか? たしかに仲間や家族という親しい距離の人はSNSのようにかんたんにブロックできません。わたしたちは繋がりたくて繋がったのではなく、もう、繋がってしまっています。一方でSNSでの薄いつながりの人たちはすぐに切ることができます。失敗しても、相手を傷つけても。Twitterのアカウントを消せばあなたはこの世と無関係にもなれる。それはあなたも同じで、相手からもすぐに切られる可能性があるという関係です。そんな関係ばかりが広がっていくのは不安ではありませんか? この不安な中、岸野はこう言います「民主主義の演習を行う事が、私が盆踊りを通して行おうとしている大きな目的です」。今回のイベントの目的は、盆踊りという一見身近で誰もが知っているとっかかりやすいテーマから、わたしたちが社会とどうかかわっていくのか、なにが人間的な幸せなのかを見つけ出していくことです。その輪にぜひ、みなさんも入ってきてほしい。そして、これからの未来を考え、少しでもこの息苦しさから解放されるヒントを得たいと思います。わたしたちは今、「名付けようのない、終わりなき戦いを、それぞれの場所で続けて、本来あるべき公助を取り戻しましょう。それが本当の意味での「政(まつりごと)」です。」文章 : 吉田アミ【プロフィール】岸野雄一(きしの・ゆういち)音楽家、オーガナイザー、著述家など、多岐に渡る活動を包括する名称としてスタディスト(勉強家)を名乗る。東京藝術大学大学院映像専攻にて「映画におけるサウンド・デザイン」の教鞭を執る。音楽レーベル運営として“Out One Disc”を主宰し、OORUTAICHIやGangpol&Mitなど個性豊かなアーティストをプロデュース。オーガナイザーとしてはSparks、Max Tundraなどの海外アーティストを招聘。アーティストとしては、音楽劇『正しい数の数え方』が文化庁第19回メディア芸術祭エンターテインメント部門で大賞を受賞した。近年では、都内コンビニにDJブースを持ち込んだ『レコードコンビニ』や、盆踊りをアップデートするプロジェクトが話題を呼ぶなど、常に革新的な『場』を創造している。吉田アミ(よしだ・あみ)音楽・文筆・前衛家。1990年頃より音楽活動を開始。2003年にソロアルバム「虎鶫」をリリース。同年、Utah KawasakiとのユニットastrotwinとSachiko.MとのユニットcosmosのCD「astrotwin+cosmos」がアルスエレクトロニカデジタル・ミュージック部門のグランプリにあたるゴールデンニカを受賞。90年代から00年代にかけて世界的なムーヴメントとなった、いわゆる「音響」的音楽のオリジネイターの一人。CDアルバムを文筆家としても活躍し、小説やレビューや論考を発表。著書に「サマースプリング」(太田出版)、小説「雪ちゃんの言うことは絶対。」(講談社)がある。音楽家で批評家の大谷能生との「吉田アミ、か、大谷能生」では、朗読/音楽/文学の越境実験を展開。近年、舞台芸術の分野において独自の創作活動をこころみはじめている。【アーカイブ動画について】・動画配信はVimeoを使用いたします。Peatix上からご視聴いただけます。・インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからのご視聴が可能です。・動画を録画するなどして、再配信する行為は禁止いたします。・動画中の画像をキャプチャして、SNS、ブログ等に投稿する行為は禁止いたします。【キャンセルについて】・ご購入後のお客様都合によるキャンセルは承っておりません。何卒ご了承ください。