アリストテレスを3週間で読む。学びながら読む、3週間の "おそい" 読書 書籍 : 『詩学』(アリストテレス著) 講師 : 山野 弘樹(哲学者) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2021-06-16T13:19:52+09:00 Peatix The Five Books アリストテレスを3週間で読む。学びながら読む、3週間の "おそい" 読書 書籍 : 『詩学』(アリストテレス著) 講師 : 山野 弘樹(哲学者) tag:peatix.com,2021:event-1898590 2021-05-18T20:00:00JST 2021-05-18T20:00:00JST 1) The Five Bookについて長く読み継がれている古典には、視界を開かされる鋭い視点が提示されていることや、読者の琴線に触れる言葉が散りばめられていること、現代でも重要さを全く失わない問題が提議されていることがあります。当たり前だと思っていたことをもう一度考え直すきっかけになったり、新たな考えが生まれたりすることも多いのではないでしょうか。一方で、古典には、用語や文脈・歴史背景の理解が不足していると理解できない箇所があることや、言い回しや論理構造の難解な箇所も多く、読み解くのに苦労することが多いのも確かです。また、周りに同じ本を読んでいる人を見つけるのが難しいこともあり、どうしても一人でその本と格闘することになってしまいます。The Five Booksは、古典を中心に、専門家のオンライン講義を受けながら30人の読者と共に2~4週間かけてじっくりと読む、"おそい" 読書を行う読書体験プラットフォームです。The Five Bookでの講義の流れについては、以下の図をご参照ください。 2) The Five Booksの特徴それぞれのペースで書籍を読み進め、週に一度の講義を受ける、というのが基本的な流れになります。開講期間中は、Slackの期間限定の読者グループへ参加します。他の読者と疑問点を共有したり、講師からの問いについて読者同士で考えを共有・議論する中で、読みながら考えることができます。The Five Bookの講義と読書グループのイメージについては、以下の図をご参照ください。The Five Booksの詳細は公式ウェブサイトをご参照ください。3) 講義概要古代ギリシャの哲学者アリストテレス(前384-322)の名著 、『詩学』を三週間で読みます。この著作は、『ニコマコス倫理学』や『形而上学』と並ぶ、アリストテレスの代表的な作品です。 (上述の二冊と比べると『詩学』は比較的短い部類に入りますので、アリストテレスの世界観に入門するには最適な著作であると言えます。)アリストテレスが『詩学』の中で探究している問い、それは 〈人を惹きつける物語を作るためにはどうすれば良いのか?〉 というものです。素晴らしい人生の傍らにはいつも素晴らしい物語があるように、私たちの世界は、常に様々な物語に満ち溢れています。物語。それは、人間にとって絶対になくてはならない存在です。 ですが、素晴らしい物語を紡ぎ出すためには、いったいどのような技術が必要なのでしょう? さらに、そうした物語の「素晴らしさ」をちゃんと理解するためには、どのような鑑賞の仕方が求められているのでしょうか?物語の哲学。それは、「物語の世界」を生きている人間にとって 最も原初的であり、最も根源的な問い の一つです。 そして、アリストテレスの『詩学』こそは、そうした原初的な問いに挑んだ世界最古の著作の一つなのです。本講義においては、『詩学』に登場する「ストーリー制作の技法」を知識として紹介して終わり、ということはしません。 むしろ本講義においては、『詩学』を 「物語の哲学」の一つの原点 として捉えます。 そこには、現代を生きる私たちさえも刺激するような哲学的洞察が豊かに秘められているのです。 ・物語制作に携わるクリエイターの方   ・日頃多くの物語に親しまれている方   ・「物語の哲学」や「芸術哲学」に入門したい方   ・古代ギリシャの世界を探訪したい方そういった方々にとって、本講義は必ずや実りあるものになると思われます。21世紀においてもその「輝き」を失わない『詩学』の世界を、共に踏破してみませんか? (「物語の哲学」の集大成を築き上げた) フランスの哲学者ポール・リクール の導きと共に、上質な『詩学』の読書体験を、さらに高品質なものへと高めることをお約束いたします。ご検討のほど、何卒、よろしくお願いいたします。各講義の内容第1回(05月18日(火):20:00-21:30)まずは、『詩学』を著したアリストテレスの経歴、およびアリストテレス哲学における『詩学』の位置づけについて説明をします。プラトンという偉大な師匠を持ったアリストテレスの人生の中にも、壮大な「物語」が秘められているのです。また、本講義においては、 現代哲学における「物語論」 の知見をフルに活用してまいります。「言語の世紀」と呼ばれた20世紀においては、「物語」の〈力〉をめぐる考察が実り豊かに展開されているのです。さらに、『詩学』のみならず、哲学書全般を読み進めていく際に非常に有効な 「批判的精読」という読書法 に関して、解説をしていきたいと思います。「いかにして本を読むべきなのか?」という問いに関しても、初回講義においてしっかりとした方向性をご提案させていただきます。第2回(05月25日(火):20:00-21:45)本講義においては、『詩学』第一章から第九章までの範囲の講義を行います。 第二回講義において登場する重要な議論、それは「歴史と詩の区別」という問題です。 アリストテレスは『詩学』において、〈歴史は個別性を目指し、詩は普遍性を目指す〉と主張しています。ですが、一体いかにして、詩や文学といった物語は 「普遍性」 を獲得するのでしょうか? さらに、「普遍性」とはそもそも何なのでしょうか?「普遍的な価値のあるプロダクトを作りたい」 と望む方は多いと思いますが、『詩学』の講読と共に「普遍性」を探究する本講義は、そうした方にとっても必ずや実りあるものになると思われます。第3回(06月01日(火):20:00-21:45)本講義においては、『詩学』第十章から第十八章までの範囲の講義を行います。 第三回講義の箇所において、ついにアリストテレスが最も重要と考える物語の形態、すなわち 「悲劇」の制作原理 についての説明がなされます。このとき、作者によって展開される物語世界の中では、どのような創造がなされているのでしょうか? そして、そうした物語世界に直面する鑑賞者は、一体どのように能動的な作品解釈の過程に参与するのでしょうか?「人間が物語を読むとき、そこではどのような知的営みが展開されているのか?」という問いに導かれて、本講義は『詩学』の読解を進めていくことになるでしょう。 また、『詩学』から学び取れる諸概念を用いて、私たちは 現代の名作映画の物語構造を実際に分析 してみたいと思います。第4回(06月08日(火):20:00-21:45)本講義においては、『詩学』第十九章から第二十六章までの範囲の講義を行います。 いよいよ最終回となる第四回講義において、ついに『詩学』の中でも最も大きな影響力を持つ概念の一つ「 比喩(メタファー)」が登場します。美しい物語には、必ず印象的な「比喩」が登場します。 「 人生はチョコレート箱のようなものである(Life is like a box of chocolates.)」――こうした言葉は、物語を鮮やかに彩り、観た者の心の中に美しい心象風景を残します。「比喩」――それは人間の認知能力の拡大のみならず、世界創造の可能性にさえ直接的に働きかける存在です。それほどまでに圧倒的な力を持つ「比喩」が、一体いかにして創造されるのか。そのアリストテレス的思考法を、本講義において解説していきたいと思います。4) 講師からのメッセージはじめまして。東京大学で哲学の研究を行っている山野弘樹と申します。普段はポール・リクール(Paul Ricœur, 1913-2005)という現代フランスの哲学者の研究をしているのですが、「より多くの方々に哲学の〈意義〉と〈魅力〉を知ってもらいたい」という理念のもと、一般の方向けの哲学系イベント(オンライン)も数多く主催しております。 (すでに累計1000人以上の方々にご参加していただいております。)私は大学時代に『読書について』(A. ショーペンハウアー)を読んだことをきっかけに、哲学の世界へと足を踏み入れました。それ以降、数多くの哲学書を読破することを通して、「批判的読解力」や「論理的思考力」を獲得してまいりました。(その成果は、私の研究論文の業績数に直接反映されております。)私は「The Five Books」の講義において、これまで東京大学で体得してきた〈読書の方法〉および〈哲学的な思考の方法〉を、分かりやすい言葉で受講者の皆さまにご提示したいと思います。「これまで一冊も哲学書を読んだ経験がありません!」という方でも大丈夫です。日々の生活を変えるための、そして、これからの人生を変えるための〈メタ思考能力〉を向上させたいすべての方(中高生・社会人・シニア世代の方)のご参加を、心よりお待ちしております。5)備考・お知らせ書籍は、参加者各自でご用意ください。講義にはWeb会議サービスのZoomを使用いたします。各講義は、録画のうえ参加者へ講義後に共有いたしますので、一部講義にご参加が難しい場合もご参加をいただけます。講義では、受講者の方に質問や受講者同士の対話を強要することはありません。講義中のご質問は、Zoomのチャットまたは音声で行うことができます。受講期間の対話ツールには、Slackを使用いたします。Zoom, Slack共に、本名またはニックネームでご参加いただけます。参加登録、お支払いは、peatixページにて行っていただきますようお願い申し上げます。参加申込期限は、05月17日の20:00となります。また、申込定員(30名)に達し次第受付を締め切らせて頂きます。本講義の最小決行人数は、10名とさせていただきます。05月16日の20:00の時点で最小決行人数に達していなかった場合は、本講義をキャンセルさせていただき、参加登録をされた皆様へご返金させていただきます。参加ご登録後のキャンセルについては、開講1週間前(05月11日)まで受付けます。peatixページよりキャンセル申請を行っていただきますようお願いいたします。その他のお問い合わせについては、トップページのお問い合わせ欄よりご連絡いただきますようお願い致します。 Updates tag:peatix.com,2021-05-16 09:38:25 2021-05-16 09:38:25 イベント詳細情報を更新しました。 Diff#1010274