貨幣と利子-新型コロナとメガロポリス文明(オンラインオータムセミナー・全6回) | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2021-11-15T11:52:09+09:00 Peatix 早稲田大学エクステンションセンター 貨幣と利子-新型コロナとメガロポリス文明(オンラインオータムセミナー・全6回) tag:peatix.com,2020:event-1629701 2020-10-16T13:00:00JST 2020-10-16T13:00:00JST 講師:水野 和夫 (法政大学教授) 会場:Zoomウェビナー 開催日:2020年10月16日(金)、10月23日(金)、11月13日(金)、11月20日(金)、11月27日(金)、12月4日(金) 時間:13:00-14:30 参加費:17,820円(消費税込み) 定員:100名(要申込み)(お申込者数に応じて定員を拡大することがあります) 【講義概要】資本は文明の別名にすぎないのであって、資本が文明をつくってきた。資本は移動することで増殖し、文明の到達点は20世紀のメガロポリス文明だった。世界にメガロポリスは2つしかなく、NY-ボストン-ワシントン、もうひとつは東京-名古屋-大阪だ。新型コロナはメガロポリスを直撃した。ゼロ金利と新型コロナは資本の自己増殖を困難にする。資本はまず貨幣の存在を必要とする。貨幣は本来、死者とのコミュケーション手段であり、伝統を重んじてきた。利子は現在と将来をつなぐ物差しである。デジタル通貨は死者とのコミュニケーションを断ち切り、ゼロ金利は、将来は現在と大して変わらないことを示唆している。デジタル通貨が普及し、ゼロ金利が一般化していくと、フランス革命後に誕生し、どちらも進歩を信じる自由主義と社会主義の二つのイデオロギーが役目を終えることになる。生き残った保守主義が21世紀の主役となりうるのか、デジタル貨幣が過去を断ち切って、あるいは新しいイデオロギーが登場するのかについてこの講座で考えてみたい。第1回 10/16(金)13:00-14:30資本と文明・・・資本は文明の別名にすぎない【詳細】資本と文明は国境を意識しないという点で共通性がある。文明は進歩であると信じられているので、国境を容易に超え、世界を普遍化していく。文明化された近代社会によって蓄積された資本が非文明国へ流出し、世界中を文明化していく。新型コロナの増殖によって、文明化の先兵である資本が増殖を止められている。第2回 10/23(金)13:00-14:30貨幣とは何か・・・貨幣とは石ではなく種子である 【詳細】貨幣は13世紀半ばになって石から種子へと変容し、13世紀初めに容認された利子(利潤を含む)が正当化された。それまでの貨幣が有していた死者とのコミュニケーション手段を希薄化させてきたのが近代だった。マイナス金利とは、死を遠ざけようとしてきた近代の役目が終わったことになる。それでも、インフレ政策をとれば、死が近づくことになる。すでに、技術進歩教によって『自然の死』(キャロライン・マーチャント)が訪れている。第3回 11/13(金)13:00-14:30利子とはなにか・・・現在と将来をつなぐ物差しである 【詳細】貨幣が種子となれば、将来の成果をどれくらいに見込むかが重要となり、その成果を事前に推し量るのが利子である。未来の財は、現時点で即座に利用可能な財と同じほどに評価されないし、その所有者は同じだけの効用も得ることもないので、つねに現在財は未来財よりも高く評価される。未来財の評価が低いのを補うのが利子である。ゼロ金利は、現在財と未来財が同じ価値となることを意味しており、現在と将来は大して変わらないことを示唆している。近代の最も重要な理念である「進歩」がなくなったことになる。 第4回 11/20(金)13:00-14:30貨幣はいつから資本となったのか・・・13世紀の「資本論」(オリ―ヴィ)【詳細】11世紀ころからヨーロッパでは都市化と東方貿易が始まり、貨幣が必要となった。そこでキリスト教会もそれまで禁止していた利子を容認する必要に迫られた。この段階から貨幣が資本となり、資本主義が始まった。13世紀のオリ―ヴィの「資本論」を参照することで、21世紀の資本主義の課題が浮かび上がってくる。すなわり、種子ではなくなったにもかかわらず、成果(利潤)を求めようとするから、様々な矛盾が噴出するようになった。第5回 11/27(金)13:00-14:30利子と利潤はいつ分離したのか・・・17世紀、オランダの東インド会社 【詳細】15世紀末から始まった「大航海時代」になると、高いリターンが獲得できるようになり、従来利潤も混在していた利子から利潤が分離するようになった。近代になって事前にリターンを約束する利子(リスクを負わない)と、事後的にリターンが決まる利潤(リスクを負う)と別れた。しかし、結果的には経済が成長している限り、リスクが顕在することはなく、利子と利潤はおおむね同じ方向を向き、かつ水準も変わらなかった。しかし、21世紀になると、利潤率(ROE)と利子率は逆方向に動き、水準も大きく乖離した。企業経営者は将来不安を理由に人件費削減を強化することで利潤率を高めようとするが、経済活動における将来不安は各国政府が行っている量的緩和政策から生じている。第6回 12/4(金)13:00-14:30保守主義、自由主義、社会主義のいずれが勝利者なのか・・・21世紀は「進歩」が敗北したのか 【詳細】フランス革命後、自由主義と社会主義は「進歩」を掲げて、旧体制(アンシャンレジーム体制)を打破しようとした。それに抵抗したのが保守主義者だった。結局、民生品の生産が滞って(進歩が止まって)、社会主義は敗北し、21世紀になってゼロ金利が出現すると自由主義は敗北した。残ったのは保守主義だった。 過去の伝統を重視する保守主義が勝利したとすれば、「新中世主義」は近代主権国家システムにとってかわれるのか。伝統を維持する保守主義は時間によって淘汰されなかったのが伝統であり、そのことが正当性を与えると考える。21世紀は中世に回帰しようとしているのかについて、英国学派のヘドリー・ブルが一つの可能性として提唱した「新中世主義」について考察する。【講師プロフィール】水野 和夫 (法政大学教授)愛知県生まれ。博士(経済学)。専門分野はマクロ経済学。三菱UFJモルガン・スタンレー証券(1980八千代証券入社-2010)、内閣府大臣官房審議官(2010)、内閣官房内閣審議(2011)、日本大学教授(2012-15)、法政大学教授(2016-現在)。著書に『100年デフレ』(2003)、『終わりなき危機』(2011)、『資本主義の終焉と歴史の危機』(2014)などがある。 【申込方法】・申込方法:右上の「チケットを申し込む」ボタンよりお申し込みください。・申込締切:2020年10月15日(木)13:00 ※定員に達した場合、左記を待たずに締め切る場合があります。・お申し込み前に、「ご受講にあたって」を必ずお読みください。【必ずお読みください】・本講座は、オンライン(Zoom)で実施いたします。・受講をご希望の方は、Zoomのテストミーティングを行い、「ご受講にあたって」をお読みの上、お申込み手続きを行ってください。・お申し込み後、Peatixからメールにて、ご受講のための「視聴ページへのリンク」をお送りいたします。・当日はメール内の「イベント視聴ページへ移動」をクリックして「視聴URL・パスコード」​をご確認のうえ、ご参加ください。「視聴URL・パスコード」​はメールで送信されません。・ご不明な点や当日何か不具合がございましたら、「ご受講にあたって」をご参照いただき、メール(ext-online@list.waseda.jp)にてお問い合わせください。​※メールでお問い合わせの際は、お名前と講座名を必ず明記いただきますようお願いします。※当日は、新型コロナの影響拡大に伴い、限られたスタッフで対応しております。​お電話でのお問い合わせはお控えいただきますようお願いします。​・当センターではPCやスマートフォン等の操作、環境設定、Zoomのクライアントソフトのインストール等に関するサポートはいたしかねます。ZoomのFAQページなどをご参照の上、ご自身で設定してください。・キャンセルする場合は、講座開講前日(前日が土、日、祝日、休業日の場合は直前の平日)13:00までにPeatixにてキャンセル手続きを行ってください。キャンセルの手続きは「キャンセルを依頼する」をご確認ください。電話および窓口でのキャンセル手続きはお受けしておりません。・当日、休講となった場合は、12月11日(金)に補講授業を行います。・講座の視聴URL、パスコードを第三者と共有することは固くお断りいたします。