サム・フリークス Vol.11
13:05~ 開場
13:20~『ゴー・フォー・シスターズ』上映(日本初上映)
15:23~ 休憩
15:35~『子供たちをよろしく』上映(17:07上映終了予定)
※入れ替えなし
※全席自由席
本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、「マフスのはてな」において寄付の実施をご報告いたします。
お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。
また、未成年の方はイベント当日の会場受付にて500円返金します! 性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1374円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。
お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。
こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonのほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。
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「サム・フリークス Vol.11」では「サム・フリークス Vol.10」の内容を引き継ぎ、シスターフッド映画とストリートで生きる子供達を追った映画を上映する。
『ゴー・フォー・シスターズ』は保護観察官の女性が高校時代の旧友と「ターミネーター」というニックネームの老探偵の助けを借りながら、行方不明になった息子を捜索する犯罪サスペンス映画。ジャンル映画の枠組みを使いつつシスターフッド、マイノリティ、不法移民などについて描くことによって、現在のアメリカとメキシコの実情を浮き彫りにしていくといういかにもジョン・セイルズらしい作品で、女性2人の断片的な過去が徐々に明かされていく構成は名作『パッション・フィッシュ』の延長線上にあるともいえるだろう。ちなみに本作はわずか19日間で撮影されたとのこと。
シアトルで暮らすストリート・チルドレンを追った『子供たちをよろしく』は、写真家のマリー・エレン・マークが1983年にライフ・マガジンにて発表したドキュメント記事「Streets Of The Lost」をきっかけとして、彼女の夫であるマーティン・ベルがそこに登場する子供達を映像に収めた作品。ドキュメンタリーと作劇が渾然一体となった児童映画の極北的な内容で、根底に流れる大きなヒューマニズムと現実の容赦ない厳しさが胸を締めつけてくる。トム・ウェイツが主題歌の映画としてはジェニファー・ジェイソン・リー製作・主演の『ジョージア』に匹敵する傑作である。「子供たちをよろしく/彼等が路頭に迷わないように」(「Take Care Of All My Children」by Tom Waits)。
岡俊彦(東京都品川区南品川3-5-2-503在住)
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先日、チベットの映画監督ペマ・ツェテンにインタビューした際、作品に合わせて撮り方を変える彼は、「撮影方法というのは形式ではあるが、その形式が正しければ内容が正しくなる。要するに、形式もまた内容の一部であると考えている」と語った。シアトルの路上で暮らすホームレスのティーンエイジャーたちを記録した『子供たちをよろしく』の特徴は、まさにそのスタイルにこそある。
マーティン・ベルは、基となったマリー・エレン・マークが撮った写真と近い画角、彼女がファインダー越しに覗いたままを提示するかのようにスタンダードサイズを採用し、子供たちの生活を裁くことなく収めることで、映画全体をまるで動くフォトエッセイのように作り上げている。また、大きな物語として構成するのではなく、彼らの日常的な行為を観察しながら、そこに当事者自身の一人称のナレーションを織り込むシネマ・ヴェリテの手法を用いている。機能不全家族から抜け出た子供たちは、それぞれドラッグや売春、盗み、物乞い、ゴミ漁りなどでサバイブする路上生活、あるいは虐待や貧困の経験を正直に、淡々と語る。このような社会問題がなぜ起こったかを俯瞰でまとめあげるのではなく、子供の視点で小さな人生を見せるのである。例えば近年では、『行き止まりの世界に生まれて』はおそらくこの手法の影響下にあるだろう。
さらに、ストリートの住人を望遠のロングショットで捉える撮影方法は、元ホームレスのジャンキー女性に当時の実体験を再現させた『神様なんかクソくらえ』を明確に彷彿とさせる。事実、やはりサフディ兄弟は多大な影響を受けていることを明らかにし、「それまでスクリーンでほとんど見られなかった方法でアメリカのホームレスに光を当てた」「『子供たちをよろしく』はスターだらけだ。ドウェイン、タイニー、ラットのことが忘れられない」と絶賛している。上映活動を通して、「彼らが路頭に迷わないように」児童支援を試みるサム・フリークスの理念を象徴するかのような映画である。
一方、黒人女性ふたりとラテン系男性ひとりを中心とし、白人がほとんど登場しない『ゴー・フォー・シスターズ』は、ジョン・セイルズの関心が自身のバックグラウンドとは異なるラテン系の苦境へ、あるいはアメリカとメキシコの関係に向けられているとすれば、サム・フリークス的には、ある種、以前に特集したケン・ローチ『ブレッド&ローズ』の主題を引き継いでいるとも言えるかもしれない。ジャンルの慣習と社会批評を混ぜ合わせ、静かに連帯の種を蒔く、地味ながら渋い映画である。マハーシャラ・アリのファンもお見逃しなく!
(映画ライター・常川拓也)
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『ゴー・フォー・シスターズ(原題:Go For Sisters)』(2013年、監督:ジョン・セイルズ)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
2014年 インディペンデント・スピリット・アワード 助演女優賞ノミネート(ヨロンダ・ロス)
出演: リサゲイ・ハミルトン、ヨロンダ・ロス、エドワード・ジェームズ・オルモス
https://www.youtube.com/watch?v=fQ4vCFepS9Y
- イベント詳細情報を更新しました。 Diff#865181 2020-12-19 00:58:49
1:20 PM - 5:10 PM JST
- Venue
- 渋谷ユーロライブ
- Tickets
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前売り券 ¥1,374
On sale until Mar 6, 2021, 11:00:00 AM
Combini / ATM payment will be closed at the end of Mar 5, 2021.
- Venue Address
- 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F Japan
- Organizer
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