サム・フリークス Vol.9
01.『ジョージア』(95年 監督:ウール・グロスバード)
02.『アニバーサリーの夜に』(01年 監督:ジェニファー・ジェイソン・リー&アラン・カミング)
03.『The Love Letter』(98年 監督:ダン・カーティス)
04.『ブルックリン最終出口』(89年 監督:ウーリー・エデル)
05.『カンザス・シティ』(96年 監督:ロバート・アルトマン)
06.『マイアミ・ブルース』(90年 監督:ジョージ・アーミテイジ)
07.『ユニークライフ』(*TVシリーズ 17年~21年 製作:ジェニファー・ジェイソン・リー)
08.『アノマリサ』(15年 監督:チャーリー・カウフマン&デューク・ジョンソン)
09.『ヘイトフル・エイト』(15年 監督:クエンティン・タランティーノ)
10.『初体験/リッジモント・ハイ』(82年 監督:エイミー・ヘッカリング)
8月1日(土)には同会場でイベントの第8弾が、12月20日(日)にはイベントの第10弾が開催されます! こちらもぜひ!
13:20~ 開場
13:35~『マイアミ・ブルース』上映
15:12~ 休憩
15:25~『サム・フリークス』上映(日本初上映/17:02上映終了予定)
※入れ替えなし
※全席自由席
本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、「マフスのはてな」において寄付の実施をご報告いたします。
お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。
また、未成年の方はイベント当日の会場受付にて500円返金します! 性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1374円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。
お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。
こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonのほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。
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「サム・フリークス Vol.9」の裏テーマは「原点回帰」!
「サム・フリークス」の前身イベントである「真摯な痛み」シリーズの第1回で上映したのがジェニファー・ジェイソン・リーの最高傑作『ジョージア』。彼女がそのキャリアを通じて(近年の代表作の『ユニークライフ』に至るまで)貫いてきた、孤独や痛みや悲しみに対して真摯に向き合う姿勢こそが私の人生の指針であり、このイベントの指針でもある。だから、こうやって改めてジェニファー・ジェイソン・リーの傑作『マイアミ・ブルース』を上映できるのは至上の喜びだ。ジョナサン・デミが製作し、後にジョン・キューザックの代表作の一つ『ポイント・ブランク』を手掛けることにもなるジョージ・アーミテイジが監督を務めた本作は、「ネオ・ノワール」とも評される捻くれた犯罪映画のカルト的な傑作である。偽刑事に成り済ます刑務所帰りのチンケな犯罪者(アレック・ボールドウィン)と大学生娼婦スージー(ジェニファー・ジェイソン・リー)の儚い恋模様が切なく物悲しい。
岡俊彦(東京都品川区南品川3-5-2-503在住)
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サフディ兄弟の『グッド・タイム』に影響を与え、ギレルモ・デル・トロもサンシャイン・ノワールの重要作に挙げるのが、『マイアミ・ブルース』だ。警官を装う詐欺師をコミカルでセクシーな魅力で演じるアレック・ボールドウィン、傷つき壊れる娼婦を一見緩慢な子どものように演じてみせるジェニファー・ジェイソン・リー、そしてフロリダの陽光の下で繰り広げられる漫画的な暴力が折り重なって愉しい。賞レースのトロフィーよりも複雑な役を選んできたJJLの姿がここにもある。『ハネムーン・キラーズ』ファンもお見逃しなく。
「サイクロプス」と揶揄される隻眼の少年マットとプラスサイズの緑髪の少女ジル(そしてクローゼット・ゲイの少年エルモ)の高校最終学年から大学1年までの関係を描いた『サム・フリークス』を改めて観ると、ニール・ラビュートが製作総指揮として支援を買って出たことはよく理解できる。どちらも悪意と差別が渦巻く世界を描いているのである。外見だけで人が識別される中で、身体的な特徴によって、標準でない彼らは校内で虐げられてしまう。
ハリウッドの黎明期から現代までのロマンティック・コメディを考察したドキュメンタリー『Romantic Comedy』は、映画が、女性は常に完璧な化粧をして痩せていなければ幸せになれないという義務感を女性客に要請してきたことを指摘していたが、『サム・フリークス』は、ある種そういった今までの映画のお約束の展開を意図的になぞっているところがある。他者の視線の中で周りと相対化して自分自身を認識してしまうマットとジルは、高校卒業とともに外見上の違いを埋めようとしていく。あるいは、特に容姿で批判されてきたジルは、あるべきボディイメージの呪縛に取り憑かれた女性として設定されている。これは、そうした自己知覚や強迫観念についての映画である。
しかし、事はそう簡単には解決しない。監督のイアン・マカリスター=マクドナルドは、異質な者が周囲に円滑に溶け込むことの困難さ、そして傷つけられてきた彼らもまた先入観で他者を判断して傷つけてしまう精神構造にまでも踏み込む。不完全な者同士の孤独が互いを守り合い、痛みを覆う一瞬をそっと見つめるまなざしは、繊細で真摯で、初めて観た時から脳裏にこびりついている。『少女ジュリエット』に次ぐ特集としてもふさわしい。
「何事にも初心者である若い人々は、まだ愛をなすことができません。彼らはそれを学ばなければなりません」──ライナー・マリア・リルケ
(映画ライター・常川拓也)
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『マイアミ・ブルース(原題:Miami Blues)』(1990年、監督:ジョージ・アーミテイジ)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
1990年 ニューヨーク映画批評家協会賞 助演女優賞受賞(ジェニファー・ジェイソン・リー)
出演: アレック・ボールドウィン、ジェニファー・ジェイソン・リー、 フレッド・ウォード
https://www.youtube.com/watch?v=pCihaiBkIxI
2016年 ファンタジア国際映画祭 審査員特別賞受賞
- イベント詳細情報を更新しました。 Diff#681518 2020-08-01 12:21:54
1:35 PM - 5:05 PM JST
- Venue
- 渋谷ユーロライブ
- Tickets
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前売り券 SOLD OUT ¥1,374
- Venue Address
- 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F Japan
- Organizer
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岡俊彦387 Followers