サム・フリークス Vol.8
9月6日(日)には同会場でイベントの第9弾が 、12月20日(日)にはイベントの第10弾が開催されます! こちらもぜひ!
13:15~ 開場
13:30~『パパとマチルダ』上映(日本初上映)
15:16~ 休憩
15:30~『少女ジュリエット』上映(日本初上映/17:07上映終了予定)
※入れ替えなし
※全席自由席
本イベントはすべての子供達が社会から孤立することなく暮らしていけるようになることを目的とした学習支援や自立支援の為に、有料入場者1名につき250円を「認定NPO法人 3keys」へ寄付いたします。後日、「マフスのはてな」において寄付の実施をご報告いたします。
お金に困っている方は、ご相談いただければ当イベントに無料でご招待いたしますのでお気軽にご連絡ください。
また、未成年の方はイベント当日の会場受付にて500円返金します! 性善説の自己申告制で、身分証チェックとかイチイチしないので、「無料にしてもらうのは気まずいけど、1345円払うのはキツい…」という方はこちらの制度をご利用していただければと思います。
お腹が空いている方は、事前にご連絡いただければ入場時におにぎりを差し上げます。食べられないおにぎりの具がある場合は、それも併記していただけると助かります。
こちらは当イベントの主催者に向けた救援物資を掲載したAmazonのほしい物リストになりますので、お金に余裕のある方はサポートしていただきたく思います。何卒よろしくお願い致します。
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「サム・フリークス Vol.8」で上映される2作品はどちらも父と娘の物語だ。
スティーヴ・マーティンが脚本・主演・製作総指揮を務めた『パパとマチルダ』は邦題だけだと何のことやらという感じだが、実はこれ、ジョージ・エリオットの名作『サイラス・マーナー』を現代を舞台に映像化した正真正銘の文芸映画である。スティーヴ・マーティンの代表作の一つである『愛しのロクサーヌ』も実はエドモン・ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』が原作であり、彼にとって名作文学の換骨奪胎はお手の物なのだった。本作は『花嫁のパパ』でナンシー・マイヤーズ&チャールズ・シャイアとのコラボレーションを経た後の作品なだけに、ウェルメイドな作風にもさらに磨きがかかっている。本国での公開から25年以上を経た今でも全く色褪せることのない、「血の繋がりよりも大切なもの」が描かれたエヴァーグリーンな(隠れた)傑作。スティーヴ・マーティンのバンジョー奏者としての腕前が披露されるサービスも。
本国カナダで昨年8月に公開されたばかりの『少女ジュリエット』がサム・フリークスという不人気上映イベントでジャパン・プレミアを果たすのは主催者からしても大きな驚き。本作は監督のアンヌ・エモンの青春時代をベースにした半自伝的な内容であり、プラスサイズの少女が味わう真摯な痛みを描きつつも、『ナポレオン・ダイナマイト』を彷彿させるすっとぼけたユーモア・センスが味わい深い青春コメディの傑作である。たとえば『エイス・グレード』やリカルド・トロギの『1981』『1987』『1991』の三部作を想起する人もいるはずだが、最終的にはルーカス・ムーディソンの『ショー・ミー・ラヴ』に通じる「反骨の物語」として幕を閉じるのがとにかく素晴らしい。ローファイファンクの「Unighted」、マーキュリー・レヴの「Goddess On A Hiway」、ブロンディの「The Tide Is High」といった絶妙に気が利いているポップな選曲にも要注目。そして、主演を務めたアレクサン・ジェイミソンのチャーミングなダンスは、一度見たら決して忘れられないはず!
岡俊彦(東京都品川区南品川3-5-2-503在住)
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ショーン・アンダースは、血縁ではない家族を描いた傑作『インスタント・ファミリー』を作る上で、スティーヴ・マーティン主演の『バックマン家の人々』のようなファミリー・ドラマとコメディを織り交ぜて現実社会を表現した作品を目指したと語っていたが、『パパとマチルダ』にも近いことが言えるかもしれない。「Vol.3」で特集した『バッグ・オブ・ハンマーズ』とも連なる主題だが、マーティンが捨てられた孤児を養女として迎える物語である。ラッパーのGADOROが一番苦手なものは「足元を見てくる金持ち」と言っていたが、ここではその子どもの運命が金や弁護士の力で忖度される状況が待ち受けている。安倍晋三や麻生太郎のような人でなしが未だに大手を振っているこの国で、いま『パパとマチルダ』に流れる意志に触れることは有効だろう。
一方、ケベック映画『少女ジュリエット』は、違いについての映画だ。標準とは異なる体型や性的指向、知能などのために周囲から白い目で見られる者たちの物語であり、特に学校という空間はファットシェイミング(肥満を侮辱する言動)やファットフォビア(肥満恐怖症)が顕著に浴びせられる空間として現出している。『なまいきシャルロット』『ゴースト・ワールド』『ウェルカム・ドールハウス』を下敷きとしたような学園映画でありながら、プラスサイズのめげないジュリエットを中心に多様性やフェミニズムを反映させているからこそ、既存のステレオタイプやパラダイムを変革し、思いがけない展開をしていく新鮮な面白さを生み出している。まさに『Booksmart』と同時代的な傑作である。あるいは確かに『エイス・グレード』と近いが、時代よりも思春期の普遍的な感情を捉えようとしているように感じる。ジュリエットの楽観的な見方を表したポップで遊び心ある画面も愉しく、『ブレック・ファストクラブ』オマージュと同時に、クィア讃歌で締めくくるのも最高だ。なお、監督のアンヌ・エモンは半自伝的である本作の謝辞を父親、そしてかつて愛してくれなかったすべての少年たちへ捧げている。
バカばっかだ全く! FUCK OFF AND DIE!
(映画ライター・常川拓也)
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『パパとマチルダ(原題:A Simple Twist Of Fate)』(1994年、監督:ギリーズ・マッキノン)
Blu-ray上映(日本語字幕付き)
出演:スティーヴ・マーティン、アリッサ・オースティン、アラナ・オースティン、ガブリエル・バーン、キャサリン・オハラ、ローラ・リニー
https://www.youtube.com/watch?v=Mt2__27L358
2020年 カナダ・アカデミー賞 オリジナル脚本賞ノミネート
2019年 バリャドリッド国際映画祭 ヤング審査員賞ノミネート
- イベント詳細情報を更新しました。 Diff#618156 2020-06-10 09:43:33
1:30 PM - 5:10 PM JST
- Venue
- 渋谷ユーロライブ
- Tickets
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前売り券 SOLD OUT ¥1,345
- Venue Address
- 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F Japan
- Organizer
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岡俊彦387 Followers