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山あいのランドスケープ・デザイン会議 |東京編 廣瀬俊介さんを招いて

Description

「5×緑の学校」の一つとして、今年8月に徳島県神山町で開催した、廣瀬俊介さんの公開レクチャーを再演します。聞き手は西村佳哲。

時間: 2019年12月6日(金)18:30〜21:00/開場 18:00
場所: 合羽坂テラス(東京 曙橋)
ゲスト:廣瀬俊介(風土形成事務所)
聞き手:西村佳哲
参加費:2,000円

再演といっても方向性が同じであって、内容は新しいものになると思います。

以下解説を。

神山町でこの夏、慶應大学SFC・石川初研究室の展覧会「神山ひとまわり」(8/18〜25)が開催されました。同研究室が2016年から3年間にわたり神山で展開したフィールドワークのひとまとめ展です。

そのナイトプログラムとして、4夜連続のスライド上映会やトークイベントを企画。最終日に廣瀬さんを招いて、「山あいのランドスケープ・デザイン会議」をひらきました。



その内容がとても良かった。「もう一度聞きたい」という声が多く、「来れなかった人たちとも共有してみたい」と考え、12/6(金)に東京での開催を企画した次第です。

廣瀬俊介さんは私が近年出会って、「こんな人がいた!」と驚いたというか喜んだというか。見上げるような人がいるなあ。生きてきた甲斐あった(大袈裟ですかね)、と思った人です。かなり好き。この人の存在が励みになる人は、ランドスケープデザインを学んだりたずさわっている人に限らず、たくさんいるんじゃないかと思う。

以下、8月のイベント告知で書いたテキストを転載します。
ご関心のある人どうぞ。一緒に時間をすごしましょう!

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[イン神山のイベントページより転載]

この夜のメインゲストは廣瀬俊介さん。東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科で10年ほど教えていた方で、先日別件で同校を訪ねたら、こちらはなにも訊いていないのに「廣瀬さんに教わった」「廣瀬さんの授業が心に残っていて」といった声を複数名の副手さんが聞かせてくれた。慕われています。

僕はここ3〜4年のお付き合いで、「こんな人がいたんだ!」と驚いた。驚きのあまり友人を誘って、彼の話を聞く2泊3日の滞在機会もつくった(集まった人も互いに、自分の仕事や考えを紹介し合う大人の合宿。楽しい。右端が廣瀬さん)。



その中で彼は、自分自身の仕事について「〝風景のなかの豊かな過去を、地域の未来に生かすこと〟をめざしている」と語り、たくさんの画像も見せてくれた。その話を、慶應大の学生さんや、その夜に集まる人たちと一緒に聞いてみたい。

「いま私たちが生きている世界の様を読み、いままでに何があってこうなっているのかがわかったところで、じゃぁそういう場所なのだから、これから自分たちはどうするのかということを考えたり、過去の出来事への愛着もみんなつなげて考える」
という自分の基本姿勢を、ポーランドの女性の詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩も引いて語っていた。

〝束の間の一瞬でさえも
 豊かな過去を持っている
 土曜日の前には自分の金曜日があり
 六月の前には自分の五月がある〟

〝この木はポプラ、何十年も前に根を生やした
 この川はラバ川、流れはじめたのは
 今日や昨日のことではない〟

ヴィスワヴァ・シンボルスカ『終わりと始まり』沼野充義訳、未知谷、1997 年、11-15 頁より

彼は相談をもらってある地域に入ってゆくとき、「手描きのスケッチ」という手法をとる。



「『あれがあるのは、これとの関係がこうだから?』という小さな事実を見る。それが地域の文脈でないか。〝文脈〟という言葉を使って文脈がわかった気持ちになっている日本の建築家やデザイナーが多くないかな、ということは批判的に思っています」

「『ここはこういう場所だ』と見定めたあとに、たとえば公園や道路、そこに合わせた空間や細部の形がつくれるのが本当じゃないかな。逆に言うと、それがわからないのにどうして空間や建物の形をつくれるのかと思う。『その形、任意すぎませんか?』と思うことがあります」。

手厳しいけど、真剣ということだし、その真剣さをご自分の仕事に向けてきた事例も数多く見せてくれた。たとえばその一つは、岐阜の飛騨市旧古川町で重ねてきたもの(2000〜)。



「ここは1999年と2004年に豪雨災害があった。1999年の災害の翌年から呼ばれました。『長期的かつ本質的に地域の将来構想を立てたいので、地域の調査から協力してほしい』と役場の農林課の方に頼まれて。その人はいま52か53歳。農水省で働いていた方で、この土地の出身で。故郷のことがいろいろ心配になって戻ってきたという、たくさんの法律や行政上の知識をお持ちの方でした」



廣瀬さんは景観をその地域の生業、土木・建設工事、生活文化、自然基盤を横断して捉え、理解し、具体的なデザインに落とし込んでゆく。なので調査に2年くらいは必要になると聞かせてくれた。

その上で彼から出てくる提案は「当面使えれば」という局所最適解でなく、長いスパンで価値を積み重ねてゆくものになるでしょうから、そもそも、そんな仕事を発注している行政側の人物がすごいなと思う。
でも彼は古川町に限らず、いくつかの地域行政と仕事をしているんですよね。日本の隅々に、頑張っている人たちがいるんだな。

東北芸術工科大の立地性もあってか、震災のあと、国がズンズン進めた防潮堤工事に対する地域ごとの営みや景観を損なわない代案づくりにも、相談をもらって何カ所かかかわっている。西日本の沿岸部につながる建築家、ランドスケープデザイナー、土木関係者、そして沿岸部にお住まいの方々と彼の体験談を一緒に聞けるといいな。



廣瀬さんの屋号は「風土形成事務所」。「風土の成り立ちの理解の上に、 そこでの暮らし方や働き方を、 そのよさを引き継ぎ、いまより増して次代に受け渡す」という想いがある。仕事場は市川と益子に。市川はこんな感じ(Tweetより)。



まちへのギフトというか、誰かが活けてくれた卓上の野花のよう。こんな細部をお持ちの方です。

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8月は会場が徳島だったので、南海トラフ地震も視野に入れ三陸沿岸部の話を含めてもらいました。が、今回はまた別の構成になると思います。お楽しみに。:-)


*もしお住まいが関西で「東京はちょっと遠いな」と思う方がいたら。11/4(月祝)に丹波篠山でも、廣瀬さんを招くワンデイ・レクチャーがあり、僕も登壇します。そちらへのご参加も、どうぞご検討ください。

風土・地域性を生かした仕事 | 11/4(月祝)10:00〜16:30 丹波篠山市民センター

Fri Dec 6, 2019
6:30 PM - 9:00 PM JST
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Venue
合羽坂テラス/1階2号(東京 曙橋)
Tickets
参加費 SOLD OUT ¥2,000
Venue Address
日本、〒162-0064 東京都新宿区市谷仲之町2−10 合羽坂テラス Japan
Organizer
5×緑の学校
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