「AN UND AUS|つく、きえる」12/12(木)19:00開演 | Peatix tag:peatix.com,2011:1 2019-12-20T08:43:46+09:00 Peatix shelf 「AN UND AUS|つく、きえる」12/12(木)19:00開演 tag:peatix.com,2019:event-1318623 2019-12-12T19:00:00JST 2019-12-12T19:00:00JST shelf volume 29 「AN UND AUS|つく、きえる」京都公演THEATRE E9 KYOTO オープニングプログラム作 / ローラント・シンメルプフェニヒ訳 / 大塚直構成・演出・美術 / 矢野靖人stage performing rights: S. Fischer Verlag Frankfurt/Main二〇一三年、ひとりのドイツ人作家が戯曲にしたためた、東日本大震災と福島第一原子力発電所事故についての〈われわれ〉の記憶。明かりが消えた。明かりはまた点いた。短い間。明かりはまた消えた。消える。点く。消える。やかんが沸騰していない。電話が鳴っていない。テレビからはコマーシャルが消えた。(コマーシャルの音が流れる)テレビのスポーツ中継がない。(スタジアムで歓声を上げるスポーツファンたち)音楽もない。(音楽が流れる。例えば、ビル・フェイ?)【京都市公演】12月12日(木)19:00開演12月13日(金)19:00開演12月14日(土)14:00開演 ※終演後、18:00~ワークショップ開催12月15日(日)14:00開演※開場は開演の15分前になります。※上演時間は90分を予定しています。チケット(日時指定/自由席/税込/前売・当日共):一般前売:3,000円学生前売:2,000円一般当日精算:3,000円学生当日精算:2,000円会場:THEATRE E9 KYOTO京都府京都市南区東九条南河原町9-1tel. 075-661-2515e-mail. info@askyoto.or.jphttps://askyoto.or.jp/e9キャスト:川渕優子, 三橋麻子, 沖渡崇史, 横田雄平, 江原由桂, 大石憲, 鈴木正孝, 古木杏子スタッフ:照明 / 則武鶴代衣装協力 / 竹内陽子宣伝美術 / 956D協力 / 鎌ヶ谷アルトギルド, 一般社団法人アーツシード京都, 劇団キンダースペース企画制作 / 一般社団法人shelfあらすじ:沿岸の小さな町の港にある小さなホテル。日常のなか、毎週月曜に必ず不倫を重ねる三組の中年カップル。心の中で葛藤を抱きながら、誘惑に誘われ、日々の喧騒から逃れるかのように。ホテルのスタッフである若者は、湾岸警備のため高台にいる恋人の娘と携帯電話のメールで常に連絡を取り合っている。お互いを深く愛し合いつつも、二人が直接に出会うことはない。「まるでミツバチとクジラみたいに。」やがてカタストロフィが世界を襲い、ホテルは―世界は水の底に沈んでしまう。初演時劇評:震災を語ることは可能だろうか。それは共通体験になり得るものだろうか。いな、そこにはむしろ交わらない体験の、個別性が浮かびあがる。中島 智(芸術人類学者、武蔵野美術大学) 演者たちの噛み合わない会話は、まるで死者たちの追想のように響く。さながら夢幻能のように。その意味では、本作は「現代の演劇」ではなく、世界が決定的に変容してしまった時代の古典なのかもしれない。太下義之(文化政策研究者、独立行政法人国立美術館理事)演出ノート:大規模な災害や、戦争などの災悪が起きたときのその災悪の記憶の仕方に関心がある。記憶の仕方、あるいは記憶のされ方について。現実(リアル)の確かな手触り(リアリティ)を、それがふとした瞬間に失われて分からなくなることがある。それは大きな災害や災悪に出会ったときに起きやすい事象だと思う。一見すると何とも不可思議で奇形的といって差し支えないような人物描写から始まるシンメルプフェニヒのこの戯曲は、しかし詩的で美しく、寓意的な物語だ。そしてそのように事物から適切な距離を取って物語ることだけが、不条理で、普通の感覚では受け止め切れない、感情の落としどころのない災悪の記憶の仕方、歴史に対しての人類の落とし前の付け方として最も適した方法なのかもしれない。アウシュビッツ以降、詩を書くことは野蛮である、と言ったのはアドルノだった。詩は、無意識の記憶に似ている。そして詩は、無意識の発露たる夢に似ている。人間はそれがリアル(現実)だからリアリティを感じるんじゃない。リアリティを感じるからそれをリアル(現実)だと思うのだ。詩的でカタストロフ的とも思えるようなシンメルプフェニヒのこの戯曲を出来るだけリアルに、即ち現実(リアル)の不可解さをそのままに舞台の上に上げてみたいと思う。そしてカタストロフィからの恢復の手段として、人間にリアリティをもたらすための物語の在り方を突き詰めてみたい。演出、矢野靖人