Editors’ Lounge 事務局
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「編集」とはいったい何でしょうか? 一般的には本を作るための職能と言われていますが、それはそれで決して間違いではないでしょうし、本を作るプロセスの中には多分に「編集」のエッセンスが集約されていることは確かです。しかし、出版以外の領域にも“編集的”なスキルを駆使している人たちは少なからずいて、案外、いろいろな制作の現場に「編集」は介在しているのではないかという気がします。

「編集」とは多種多様な情報をデザインする表現技法です。本はテキスト情報とビジュアル情報を紙というメディアに定着させたものです。しかし、「編集」の対象となる情報は決して文章や画像だけではありません。映像や音楽も情報です。知覚が喚起する印象や感情、空間に漂う雰囲気なども情報でしょう。もっと言ってしまうと、一緒に制作にあたるスタッフの技量や特質も情報と言えるかもしれません。編集者はこうした多岐に渡る情報をある意図のもとに配列したり結合したり加工したりします。そして、最終的に何らかのメディアに成果物を落とし込んでいきます。

このとき発動される不可視かつ不可欠の情報デザイン感覚を「エディターシップ」と呼びます。

こう考えると、「編集」があらゆる場所にいろいろな形態で偏在している理由の一端が理解できるのではないでしょうか? 実は「編集」はいたるところに潜伏しているのです。当の編集者たちが思っている以上に「編集」の可能性は大きいのかもしれません。同時に、「編集」がその力を発揮をできる分野、もしくは、その力が必要とされている局面はもっとたくさんあるはずです。

現在、われわれを取り巻く情報環境はまさに千変万化の様相を呈しています。あるメディアは複数のメディアに分裂し、あるメディアは他のメディアと融合し、“メディアの多様化”などというレベルをはるかに超えた、流動性と揮発性が支配する極めてリキッドな状態と言えるでしょう。そうした時代の潮流に合わせて、いま、「編集」という概念を再定義する必要があります。編集者が駆使する「編集」というスキルの再認識と再構築が急務です。

「編集者=本を作る人」という従来の狭い定義から、「エディターシップ」を解放してあげる必要があります。「Editors' Lounge」は、みなさんと一緒に「編集」の本質を探求し、その潜在的な可能性を模索し、その知見を共有/議論していく開かれた場です。メインテーマである「編集」はもとより、隣接問題である「メディア」「情報」「デザイン」「コミュニケーション」といった問題を共に考えていきましょう。そして、この「Editors' Lounge」が編集にまつわる新しいムーブメントとなり、大きなコミュニティーとなることを目指していきたいと思います。