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COILセミナーvol.4 『<東京2020>×<共生社会>』
内閣官房試行プロジェクトに関する成果報告会

実施日程 平成29年6月6日(火)

実施時間 18時30分~20時30分(開場18時15分)

会  場 東京国際フォーラム ガラス楝会議室 4F G410

    〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5−1

報告者 橋本大佑(一般社団法人コ・イノベーション研究所 代表理事)
ゲストスピーカー
星加良司 (東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター講師)
※ イアン・ブリテン氏は参加しません。

参加料金 2000円(税込み)

参加料金 2000円(税込み) ※介助者無料

定  員 30名

主  催 一般社団法人コ・イノベーション研究所

協  力 公益社団法人日本フィランソロピー協会

協  力 公益社団法人日本フィランソロピー協会

 
会場バリアフリーガイド

https://www.t-i-forum.co.jp/company/barrier_free/barrier_free_01.pdf


当研究所では、2017年2月~3月にかけて内閣官房の施行プロジェクトの一環として、パラリンピックのレガシーとしての共生社会実現と、心のバリアフリー教育に関する調査を行い、『心のバリアフリー教育・研修の指標作成に関する提言書』を成果物として提出しました。

※本事業は、内閣官房 東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局の「平成28年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」(ユニバーサルデザインの社会づくりに向けた調査)の実施に係る試行プロジェクトとして実施しました。

オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査(ユニバーサルデザインの社会づくりに向けた調査)試行プロジェクトの公募結果について(ハイパーリンク)

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/ud2020kaigi/pdf/h290210_kouhyou.pdf

今回のセミナーでは、本調査事業の成果について報告します。

報告第一部

最も成功したと評価されているロンドン大会において共生化社会の実現に不利となる事後調査結果が報告されている。

最も成功したといわれるロンドン大会においては「人々の態度や認識に影響を与え、障害者に対する態度を変えること」がレガシーとして掲げられました。実際に大会後に実施された政府機関の調査では、大会は障害者へのイメージ改善に有効だったと回答した方が81%と報告されており、レガシーは達成されたように見えます。しかし、障害当事者に対する民間の調査では、大会後の障害者への態度について「変化を感じない(53%)」「悪化した(22%)」という結果が出ており、政府の結果とは大きく異なります。

ロンドン大会から4年半が過ぎ、その社会的影響を調査する多くの先行研究が発表されていますが、それらの調査を通して、ロンドン大会の前後に一体何が起こったのかがわかってきました。今回のセミナーでは、なぜこのような状況が生じたかを分析した結果を報告します。



報告第二部

障害者への偏見を助長する可能性のある心のバリアフリー教育・研修について

東京大会の招致決定以降、共生社会への関心が大きく高まりました。それに伴い、心のバリアフリー教育・研修が重要とされ、その実施が推進されています。

心のバリアフリー教育に関する研究は、障害理解教育研究として30年以上の歴史があり、そこでは、「障害者は能力が劣る」「障害者はかわいそう」もしくは「障害者は特別な能力がある」など、障害者の能力を実際よりも過小もしくは過大に評価する教育・研修が、障害者に対するステレオタイプなイメージを形成し、偏見を助長する危険性があることが指摘されています。そして、この傾向は、パラリンピックの高度競技化と密接に関連しています。しかし、現在行われている心のバリアフリー教育では、これらの先行研究が参考にされている事例は少なく、東京2020の実施に向けて実施される心のバリアフリー教育の普及が、より障害者への偏見を高め、共生社会の実現を阻害する危険性をはらんでいます。

本調査事業では、どのような教育・研修によって、障害者への偏見が助長されるのかを先行研究をもとに調査を行いました。今回のセミナーでは、その分析結果を報告します。


星加良司
東京大学大学院教育学研究科附属バリアフリー教育開発研究センター講師。

東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。
東京大学先端科学技術研究センターリサーチフェロー、同特任助教を経て現職。
主な研究分野はディスアビリティの社会理論、多様性理解教育。著書に『障害と
は何か』(生活書院、2007年)、『合理的配慮』(有斐閣、2016年【共著】)他。