東京大学持続的平和研究センター研究員でカンボジア市民フォーラム 事務局長の山田裕史さんにカンボジアの政治状況、とくに選挙についてお話をしていただくことにしました。

カンボジアといえば、70年代～80年代、ポル・ポトの大量虐殺の不幸な時代があったものの、その後、93年には、明石国連事務次長が責任者として選挙を行い、それ以降は、政情は安定して平和な選挙も行われているはず・・・などと思っていました。

そうは問屋がおろさないのが、政治というもののようです。選挙は“それなりに”やれる状況にはなりつつあっても、実際には、外国人が関与できないところで、いろいろな不正と思しきような事が行われ、正当な選挙の実現は難しいようです。

私たちにとっては、当たり前と思える普通選挙、そしてその結果に基づき政権が選択される民主制の政体。これらはまだ多くの国で当たり前のことではありません。

今後、私たちは世界の様々な民族、地域との交流が深まってきます。私たちの当たり前を押しつけても受け入れられない事情や、環境、そのメカニズムなどをカンボジアの事例を通して知り、あわせて、我々の当たり前が維持されている条件やそのもろさなどについて思いを巡らす場にしたいと考えています。

こんなことを皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

１　カンボジアの今を知る。（写真などから現在のカンボジア事情をお話いただきます）
２　選挙が正しく実施されることの意味と価値をあらためて考える。
３　強権的な政治が続いた社会において、民主制政治を実施するための難点は何かを考える。
４　カンボジアの政治状況から一見体裁の整っている日本の政治を考えてみる。

麹町アカデミア学頭　秋山進