You are looking at the older event information at Feb 12, 2017, 10:13:41 AM.
Back to event page
Changes made to event description

近現代演劇の父ヘンリック・イプセン。彼の代表作であり、その戯曲の完成度と人間という存在を捉える射程の深さは古くギリシア悲劇のそれとも比肩される傑作戯曲『幽霊』。 shelfが2006年に七ツ寺共同スタジオで初演して以降、幾度となく再演を重ね、2014年にはイプセンの母国ノルウェーの国立劇場より招聘を受け、彼の国で隔年開催されている国際イプセンフェスティバルに参加した作品の関東凱旋公演です。

「GHOSTS-COMPOSITION/IBSEN」2/11(土)~15(水)@ The CAVE(伊勢佐木町)Peatixでのチケット前売販売終了しました。 Peatix上では「売り切れ」となっていますが、日によっては。チケットまだございます! ご観劇ご希望の方が、詳しくは劇団 090-6129-9578(shelf)info@theatre-shelf.org までお問い合わせ下さい。ご連絡お待ちしております。

近現代演劇の父ヘンリック・イプセン。彼の代表作であり、その戯曲の完成度と人間という存在を捉える射程の深さは古くギリシア悲劇のそれとも比肩される傑作戯曲『幽霊』。 shelfが2006年に七ツ寺共同スタジオで初演して以降、幾度となく再演を重ね、2014年にはイプセンの母国ノルウェーの国立劇場より招聘を受け、彼の国で隔年開催されている国際イプセンフェスティバルに参加した作品の関東凱旋公演です。


スタッフ・キャスト:


出演 /

川渕優子、森祐介、三橋麻子、沖渡崇史、横田雄平、井上貴子


作 / ヘンリック・イプセン

翻訳 / 毛利三彌

構成・演出 / 矢野靖人


照明協力 / 則武鶴代
衣装 / 竹内陽子
制作助手 / 神川美優、青木光太郎
宣伝美術 / オクマタモツ

後援 / ノルウェー王国大使館
主催 / 一般社団法人shelf


公演日時:

2017年2月11日(土)~15日(水)@The CAVE(横浜)


2月11日(土) 14:00 開演

2月12日(日) 14:00 開演

2月13日(月) 14:00 開演

2月14日(火) 14:00 開演

2月15日(水) 14:00 開演


上演時間:1時間30分


チケット代:

会場:

The CAVE(横浜)
横浜市中区伊勢佐木町1丁目3-1 伊勢ビル地下1F
JR根岸線「関内駅」徒歩3分
(伊勢佐木モール入り口右手ビル地下1F)


shelf作品レビュー:


[…]昨日、まず渋谷playroomでshelf『Hedda Gabler』。イプセンの原作戯曲は日本でもしばしば上演されているが、普通はヘッダの強力なキャラを中心化して上演される。しかしそこはイプセンに何度も挑んできた矢野靖人、ヒロインをバラバラに分解し、かつ他の人物に光を当てる。 […]


[…]その結果、ともすればプリミティブな心理劇になってしまうものがアクチュアルな寓話性を帯びることになる。shelfがやっているのは名作戯曲の翻案ではなく、それをプレテクストにした、現在日本演劇なのだと思う。 […]


(shelf volume21"Hedda Gabler" 評 ― 佐々木敦氏、批評家)


(shelf volume21"Hedda Gabler" 評 ― 佐々木敦氏、批評家)


演出ノート、あるいは2017年2月公演へ向けての演出の極私的な覚え書き:

演出ノート、あるいは2017年2月公演へ向けての演出の極私的な覚え書き:



産業構造が地殻変動を起こし、社会が高度に情報化し、複雑化しつつある状況下で、家族という人のコミュニティの最小単位を見つめ続けたのが他ならぬイプセンだ。『幽霊』もまた広義の政治的な問題を孕んだ作品であり、読み返せば今も単なるフィクションでは収まらないリアリティを持って迫って来る。

産業構造が地殻変動を起こし、社会が高度に情報化し、複雑化しつつある状況下で、家族という人のコミュニティの最小単位を見つめ続けたのが他ならぬイプセンだ。『幽霊』もまた広義の政治的な問題を孕んだ作品であり、読み返せば今も単なるフィクションでは収まらないリアリティを持って迫って来る。



私たちは果たして本当に“近代”を超克し得ていたのだろうか。世界は今、あらゆるところで安易な大衆迎合主義が蔓延り、極端に排外主義的な極右化の波に翻弄されている。その一方で、今、まさに私たちは、SNSを通じて大量虐殺が世界中にライブ中継される時代をも生きている。何がポスト真実だ。私たちは今、大きな時代の過渡期を生きていて、足元がその土台から揺らいでいる。急いてはならない。時代の現実を捉えるためにこそ、我々は過去へ遡って沈思しなければならない。

私たちは果たして本当に“近代”を超克し得ていたのだろうか。世界は今、あらゆるところで安易な大衆迎合主義が蔓延り、極端に排外主義的な極右化の波に翻弄されている。その一方で、今、まさに私たちは、SNSを通じて大量虐殺が世界中にライブ中継される時代をも生きている。何がポスト真実だ。私たちは今、大きな時代の過渡期を生きていて、足元がその土台から揺らいでいる。急いてはならない。時代の現実を捉えるためにこそ、我々は過去へ遡って沈思しなければならない。



多勢が世界の現状に対する性急な処方箋を求めている現代だからこそ、私は敢えて、直ぐには役に立たないことなぞに集中したく思う。芸術活動を通じて、この世界のあまりに性急な流れに抗いたいのだ。

多勢が世界の現状に対する性急な処方箋を求めている現代だからこそ、私は敢えて、直ぐには役に立たないことなぞに集中したく思う。芸術活動を通じて、この世界のあまりに性急な流れに抗いたいのだ。



2016年12月某日 演出、矢野靖人

2016年12月某日 演出、矢野靖人