MUSIC CAMP主宰、InterFM897 Sueño del Barrioの選曲・DJとしてディープでヴィンテージなアメリカ音楽を紹介する宮田信氏が、膨大なコレクションの中から選曲・解説する一夜。現地の食べ物を味わいながら、音楽の旅に出てみましょう。聞き手には、恵比寿新聞編集長 高橋賢次氏を迎えて、みなさんをロサンゼルスのディープでリラックスした場へご案内いたします。

日時：12/22 19:30開始（19時開場）
場所：amu
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音楽をポートにした旅

どこかで「世界のあらゆる音楽は民族音楽だ」と聞いたことがあります。それはきっと、世界中のどの音楽も、人びとの社会や生活と切り離せないということではないでしょうか。そうだとすれば、「最近は洋楽が聴かれなくなっている」というのも、少しだけ寂しい気がします。それは、もしかすると海の向こうの人びとの社会や生活への関心が薄くなってきているということがあるのかもしれないから。
音楽を通じてその土地や人々、コミュニティを知ることがテーマの「音楽旅行」。今回はアメリカでも最もいろいろな文化や人種の集まるロサンゼルス編として、中南米やスペインの影響の色濃い音楽を紹介いたします。地元でしか知られていないような、数々の優れたミュージシャンや音楽を日本に紹介してきたインディーズレーベル MUSIC CAMP, Inc. を主宰しつつ、Sueno del BarrioというInterFM897で放送されている番組のDJをつとめる宮田信氏が音楽旅行をナビゲートします。ふだん、ラジオで宮田氏が紹介している音源により深い解説を添えていただきながら、現地の食べ物とビールを片手に音楽の旅に出てみましょう。

宮田氏のこれまでの活動や音楽とのかかわりについては、こちらのインタビュー記事をご覧ください。

様々なコミュニティの集まるロサンゼルスの音

比較的私たちに馴染のあるアメリカにはさまざまな人種がいることは知られていますが、それに伴ってさまざまなコミュニティや文化があります。19世紀半ばまでメキシコだったテキサスからカリフォルニア一帯だけでなく、最近ではニューヨークやシカゴなど大都市までも、メキシコ系アメリカ人による独自の文化圏やコミュニティがあることをご存知でしょうか。チカーノと呼ばれる彼らのその公民権運動は、1960年代の政治やアートの分野において多大な影響力を持っていました。ラジオ文化が根づくその土地では、社会や生活と音楽には非常に密接な関係があるようです。その音楽は、中南米だけでなく、彼らが生まれたアメリカのロックやR&B、またヒップホップなどさまざまな音楽の影響を受けながら発展してきました。

いわゆる「ラテン音楽」「ワールドミュージック」などと曖昧なラベルで一括りにしてしまうことのできないさまざまな音や人との出会いは、単に音楽に詳しくなるということ以上の価値があります。言葉は便利な代わりに、国や宗教や人種と同様、あるラベルに一括りにしてしまったとき私たちはいろいろなものを見失い、時にはせっかちな判断をしてしまいがちです。


【ゲスト】宮田信
1962年生まれ。
10代のときローライダーを見てチカーノ文化に一目ぼれ。大学時代にイーストLAへ遊学して以来、現地への渡航は50回以上。チカーノ・コミュニティと強いコネクションをもち、MUSIC CAMP, Inc.を主宰しながら、音楽や文化を紹介している。
現在はInterFM897にて毎週日曜の23:00放送『Sueño del Barrio』の選曲・DJを担当。